約 3,654,188 件
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/30.html
注意事項 ・エロ無し ・ヤマナシオチナシ ・最終回 ・一部キャラの酷い扱い 「くっ……」 甘く見過ぎていた。 刀を振るうだけなら片腕でもなんとかなる。二刀流訓練の賜物だ。 だがしかし…… 世の中ただそれだけでなんとかなる敵ばかりではない。 私の目の前に鎮座しているこの敵も、まさにそれだ。 さっきから何度も何度も何度も何度も攻撃を試みるが、一撃も入らない入れられない。 全て易々と回避されるのだ。敵はただ無言で黙々と私の攻撃を避け続ける。 もしこいつが人の言葉を話すことができたならば、きっと私を見下し嘲るだろう…… 腹立たしい。 何が何でも、この敵だけには、いますぐに、絶対に、なんとしてでも、勝つ! 心を落ち着かせて、もう一度渾身の一撃をっ! 【miss!】 ぐっ……いま一度! 【miss!】 これならばどうだ! 【miss!】 何故だ…!何故……!何故………!? 左腕にうまく力が入らない。指先が痺れている。 集中力も切れてきた。冷静さを欠いた攻撃など、当たる筈もなし。 これ以上戦っても、私に勝ち目はない……これが私の限界なのか? ……現実はなんて非情なのだろう。信じたくなくとも、信じざるをえない。 私は負けた。ただそれだけ。それが揺るぎない現実…… 「すまない…エリス……」 謝罪の言葉を口にして、私はやがて訪れるその時を待つ。 戦いに敗れた愚かなサムライの末路…… もきゅ、もきゅもきゅごっくん…… 「ソウマ様、いかがでしょうか……?」 いつものように不安げな様子でエリスが尋ねてくる。もう少し自信を持ってもいいだろうに。 その右手には箸が、そして左手には、今しがた私が惨敗を喫した茶色い悪魔、 『アイゼン芋の煮転がし』がたっぷり乗った皿が。 味は素晴らしいのだが、この独特の丸みがとにかく厄介極まりない。 本当にとにかくよく滑る、転がる、逃げる、掴めない! ……筈なのだが、エリスは一度も失敗することなく芋を掴み、私の口に運んでくる。 ……正直な話、かなり恥ずかしい。 純アイゼン民である私が、ろくに箸が扱えないのもそうだが、 なんというか、こうやってエリスに食べさせてもらうことが非常に恥ずかしい。 いや、偏に箸スキルが悲惨な私のせいではあるが…… 勿論、私とて向上心は持っている。毎夜毎夜、ちゃんと箸で豆を掴む訓練をしている。 なのにこの体たらく。ちなみに昨夜の夕飯である『豆腐と艶やかゼリーの辛味噌和え』にも、 豆腐(絹)とゼリー(鮮度抜群)の連携の前に何も出来ないまま惨敗した。 その更に前日の夕飯の『のぉぶるくらうどん』にも惨敗している。 …… そもそもメニューの掴み難易度が星5クラスなのも原因かもしれない。 いやまさか…エリスがわざとそんなメニューばかりを選ぶはずもなし。 これは本当にたまたま偶然なんだ。私の技量の問題なんだ。 そう…エリスと暮らし始めて一月、毎日このやりとりをしている気がするが、偶然なのだ。多分。 しかし……あれからもう一月も経つのか………… 一月前…… 人間と竜、その存亡を賭けた最後の戦い日、各地で無数の竜との戦闘が繰り広げられた。 最後の帝竜を撃破し、援軍も加わり勢いに乗った人間が優勢な街。 前の大戦にて騎士の大半を失い、陥落寸前の連邦国。 何があったか、覚醒した王自らが最前線に飛び出したらしい我が母国。 その技術で、被害を最小限に抑えようと奮迅する学都。 竜が出現したその日から戦い続け、この最後の戦いも変わらず戦い続ける帝国。 魔を退ける結界を張り巡らせ、ひたすらに耐えぬく諸島国。 そして紅い塔にて、巨竜と死闘を繰り広げる英雄。 戦況や規模は全てバラバラだが、誰もが未来を守るために戦った。 結果から言えば、人間は勝利した。 しかし犠牲者は当然いる。各地の名もなきハントマン達、そして…… カザンの英雄ギルド【ユグドラシル】もその犠牲者に含まれている。 ユグドラシル……四人のローグで編成された少数精鋭の超攻撃型ギルド。 あの日彼らが真竜ニアラに用いた戦法は、『サクリファイス』の連続使用だった。 サクリファイス…使用者の生命力を爆発させ、敵に致命傷を負わせ、味方を癒す禁断の技。 代償に、使用者は跡形もなく消し飛ぶ。奇跡の力を持ってしても骨ひとつ再生できない程に。 彼らはそれを、四人全員が使った。 その瞬間は、カザンで戦っていた私達にも聞こえ、見えた。 爆発が発生する度にニアラの左翼、右翼、胴体がそれぞれ粉々に砕け散っていき、 最後は光り輝く大剣がニアラを貫き再生を封じ、止めの四度目の爆発で真竜を完全に消滅させた。 それと同時に、私達が戦っていた竜も全員が煙の如く消え去った。 ……その時の場の空気は喜び半分悲しみ半分といったところか。 ハントマンとして少しでも戦闘スキルを把握していれば、あの爆発の正体がわかるだろう。 況してやカザンはハントマンの聖地。住人のほぼ全てが理解していた。 竜は消え、平和な世界は戻ってきた。しかし彼らは戻ってこないと…… 戦闘が終わり、建物内に避難していた住民も徐々に姿を見せるが、 それらの人々も、場の空気で何があったかを理解してしまった様子だった。 ある家の少女は泣き崩れて兄に慰められて… またある家の少女は口に咥えていたエビフライを落として立ち尽くし… 先程まで竜と死闘を繰り広げていた王者の剣ネストルは涙こそ流さなかったが、 一言だけ「馬鹿野郎……」と呟いていた。 そして……おそらく英雄達との付き合いが一番長いであろうメナスも遅れて呟いた。 「ユグドラシルが…やってくれた…」 その言葉を聞き、泣く者、呆然とする者、全ての人間が空を見上げた。 視界に入るのは、澄み渡った青空……この星本来の姿だった。 確かに、平和な、元通りの世界が、そこにあった。 それから一月経った現在……私はエリスと二人で、森の奥でひっそりと暮らしている。 アイゼンの自宅を売り払ってまでここに移り住んだのはいくつか理由がある。 まずはやはりアイゼンは二人では暮らしにくいことがあげられる。 多少緩和されたが、やはりアイゼンの人間とルシェが共に暮らすことへの周囲の反応は冷やかだ。 故にすぐ飛び出した。エリスが気の毒であるし、私も切り裂き魔になりかねない。 幸い、何故か考え方の変わった王とその家臣が抜本的構造改革をするとの噂もあるので、 それまではアイゼンに近寄らないことにしよう。 二つ目の理由、それはここが私とエリスにとって特別な場所だからだ。 そう、私とエリスが初めて出会ったあの森だ。 やはり数奇な運命、原点回帰は必要だろう。二人きりの静かな空間というのもいいものだ。 ちなみに、(ある意味)この森に来てエリスと出会うきっかけを作ってくれた、 父上+二名の墓も家の傍に作っておいた。 僅かばかりの感謝の念と弔いの意味を込めて作ったのであり、 決して、供養しないとまた化けて出てきそうだとか思ったわけではない。 閑話休題 そして理由その3。最近これがある種一番の理由になりつつある。 ズバリ、人に会いたくないのだ。 別に『私とエリスの愛の巣窟に近寄るな』とか言うつもりはないが、 『私とエリスの時間を奪うな』とは言いたくなってしまう。 原因はまたしてもあの憎きメナスだ。 一月前、英雄の弔いもろくに終らぬなか、私とエリスとリア…そして王者の剣が奴に呼ばれた。 飛び出た言葉は 見えますか大統領(省略)竜がいなくなってもお前たちのやるべきことは変わらない。 というわけで両ギルドとも次はこのミッションをクリアしたまえ。 ミッションの内容は覚えていない。 そもそも言う前にその場にいた全員でエグゾーストスキルを三連でたたき込んでやった。 お前もっと他に言うべきことがあるだるだろうと。せめて散った英雄に言うことはないのかと。 しかも何故未だ上から目線なのかと。本当に疑問がつきない。 しかも腹立たしいことに、メナスの発言もあながち間違ってはいないのだ。 竜の襲来で忘れられがちだが、そもそもハントマンは竜襲来以前から存在していて、 その主な役目は、困った人の手助けから魔物の退治まで多岐に渡る。 竜がいなくなっても、『昔の元の姿』に戻るだけで、ハントマンは変わらず存在するし、 竜以外の魔物も普通に各地で暴れ続けているのだ。 つまり、メナスの言葉を要約すると、 『お前たち今すぐユグドラシルの代わりに溜まった仕事片付けてこい』 ということだ。 ……それ以来人目を気にする毎日なのだ。 ヘイズ戦、及び最終決戦で無駄に私達の名が広まった結果、依頼量が凄まじい。 ちょっと外に出て誰かと会話するだけで、 クエスト【刃こぼれした刀を100個集めて!】が発生しました クエスト【官能の奉仕者を無傷で捕獲せよ!】が発生しました クエスト【十万貸してください】が発生しました この有様。しかもどれも受理したくないクエストばかりときている。 ユグドラシルがいなくなり、必然的にNo1ギルドとなった王者の剣はさらに悲惨らしく、 1週間前偶々会ったネストルはひどくやつれていて、 「俺……クエストが全部終わったらユーリィと結婚するんだ……」 と言い残して森に消えた。その手に【白銀水を100個集めて!】と書かれた紙を持って… 実に嫌なフラグだ。しかも私自身にもあてはまりそうだし…… さらに問題なのが、この森奥に建てた家の存在が一部にばれているらしいことだ。 少し前から、わざわざ玄関の手紙受けに直にクエスト依頼書を入れてくる連中がいる。 何故ばれた、何故平穏な日々を過ごさせてくれない、何故無茶を言う! ……そうこう言っている間に手紙受けの前に立ってしまった。 ああ開けたくない。実に開けたくない。 朝食を終えて現在の時刻は7時を少し過ぎた程度。 この時間から満杯だったら、またしても1日の殆どがクエストで終わってしまう。 頼むから入っていないでくれ。たまにはゆっくりさせてくれ。 あけるぞ?あけてしまうぞ!? ガチャドドドサー…… 片手では抱えきれない量の依頼書が雪崩てきた。 うん、わかっていたさ。だがへこむ。 「ソウマ様、今日は…やっぱり駄目みたいですね……」 様子を見に来たエリスは私の顔を見るなりその耳をへたらせてしまう。 多分今の私の表情は、諦め混じりの半笑いなのだろう…… 「えっと…とにかく内容を見てみませんか?もしかしたら簡単なものばかりかもしれません!」 うむ、確かに一昨日の依頼【コルリアロールが食べたい!】はすぐに完了した。 ……その次の依頼【ゼンダメンマが食べたい!】で一日中筍掘りをする羽目になったが。 だが希望は捨ててはいけない。さて…今日の依頼は…… 【デリカ鉱石を20個集めて!】 「「はぁ……」」 エリスと揃ってため息ひとつ。 まだマシな部類だが、今日は一日山で過ごす羽目になりそうだ…… 「【モテモテ騎士が憎い!】…だからどうしろと?」 「【処分に困っているフロワロシードをなんとかして!】…これは無視できませんね…」 机の上に依頼書をエリスと二人で仕分けする。 ふざけた依頼から、本当に緊迫状態の依頼もあるため確認は怠れないのだ。 「【ポータルレー修理依頼】………ポータルって壊れるんですね」 「【エリスさんを私にください!】…誰が渡すか!というよりこの字は店主だな?!」 以前エリス宛てに『良き妻になる方法エプロン編』などの本が送られてきたりと、 アイゼンの万屋の店主とは今も交流はある。 他に野菜を送られてこともあるので感謝はするが、これは別だ。 仮に悪ふざけだとしても一撃はいれる。そもそもあの日の覗き行為のこともあるし。 「【かわいげを手に入れてくれ】……え?」 「これは手紙か…【無料招待券。たまには会いに来てね】……リアか…元気そうだな」 リアとは決戦の翌日に別れた。 『二人の邪魔しちゃ悪いから……』とのことで、リア自らの申し出で。 最初は一人で大丈夫かと不安だったが、すぐにニギリオの宿に就職したあたりが逞しい。 アリエッタや他の従業員と協力して、ニギリオの宿乗っ取り計画を企てたらしく、 こうやって『無料』の招待券が発行されているところを見ると、計画はかなり順調な様だ。 ちなみに主な乗っ取り方法は全従業員による調教鞭打乱れ打ちらしい。 少々手荒な気がするが、あそこの連中もルシェを奴隷扱いしていたのだから、 自業自得、因果応報というやつだ。 「リアさんもアリエッタさんも元気みたいですね」 「ああ、時間に余裕ができたら顔を見せないとね…」 「でもソウマ様、その招待券の後ろに張りついている個室肩揉み券は使わないでくださいね? わざわざ個室のあたりが……凄く嫌な予感がするんです」 「わ…わかったよ……」 確かに私もなにかを感じる。肩揉みがエスカレートしそうなそんな予感が…… せっかくだがこの券は封印しておこう…… 「これは…ユーリィさんから?【ネストルを探して!】…え?」 「こっちも同じ内容だ。ゲンブ殿からだが【森で行方不明のネストルの捜索願い】……」 ……これは最優先で受理すべきクエストだな。 今日はいつも以上に疲れる一日になりそうだ。 「マイソウルメイト!ここを開けてくれたまえ!」 「……この独特な声は…」 「ハノイだな…何故この場所が……」 本当に、いつも以上に疲れる一日になりそうだ…… 渋々玄関扉を開けると、案の定そこには桃色の髪が嫌でも目立つハノイが。 「ハノイか…久しぶりだな。悪いがこちらも忙しくてな。 クエスト依頼ならまた…別の日…に?ハノイ、となりの女性は誰だ?」 正直追い返すつもりだったが、ハノイの他にもう一人来客がいて機を逃してしまった。 背丈はエリスより少し高い程度の、ハノイに負けず劣らず目立つ桃色の髪と耳を持つ少女… 姿格好からしてハントマンと思われる。得物は両手剣か…… 「えっと、初めまして。ボクはハルカラ。その節は主人がご迷惑をおかけしたようで……」 「初めまして。私はソウマ。別にご主人に迷惑をかけられたことは……はい!?」 待て。かなり待て。超絶待て。今この少女はなんと言った!?主人…!? 「そうそう、迷惑なんてかけてないさ!彼らは僕のソウルメイト、いわば分身なのだから! それはさておきマイソウルメイトよ!今日は君たちにお知らせがあるんだ! 僕はついに見つけたんだよ!真実の愛、TRUE LOVEを!ついに僕の愛が受け入れられたんだよ! もう孤独な愛狩人ではないんだ!愛狩人ツインズなんだよ! 今度僕たち結婚するんだよ!」 「「――――――――――――!!!!????」」 誰か叫び声を抑えた私とエリスを褒めてくれ。 寝耳に水なんて生易しい衝撃ではないぞこれは!寝耳に30㎜機関砲でもまだ足りない! ハノイが、結婚だと!?この少女と!?まだ小さいのに!? いや待て、その理論だとエリスに手を出した私もアウトだ! ああ違う違う落ち着くんだ私!この場合言うべきことは…… 「そ…そそうか!よかったなおめでとう!」 「お…おめめととござざいますハノイさん!」 よし言えた! 「ありがとうマイソウルメイト!これが結婚式の招待状さ。是非きてくれよ!」 式場・ミロス大聖堂……本当に結婚するのか…あのハノイが… マレアイアにて醜態を晒したあのハノイが……私よりも先に…… なんだこのよくわからない敗北感はっ!? しかし…私達がハノイのクエストを手伝ってから、まだそんなに時は流れていない。 この短期間の間に何があった!? 「ハノイ、ひとついいか…?」 「なんだい?」 「彼女…ハルカラさんとはどういう経緯で知り合った?」 「あぁ、あの真竜ヘイズ討伐作戦の日に…ごめんよ、君たちにとっては思い出したくない日だね」 「いや…構わんよ」 「あの日僕たちも君たちと同じように前線に駆り出されてね。 あの剣の群れに散々追い掛けられて…気付いた時には僕とマイハニーは囲まれていたのさ。 もう駄目か…そう思って二人で最後の抵抗でエレメントフォロアを使ってみたら…… 凄いきたね!一撃であの剣を倒したからね!見事な愛の連携プレイ! 生半可な相手とじゃあんな連携できっこない!つまり……」 話が長い…愛は盲目とかいうやつか。 早い話が、極限状態の中での奇跡的連携と同じ髪色に二人共運命を感じたらしい。 私が驚いたのは、ハノイが普通に戦闘をこなせることだ。 ずっと一人旅をしていて勝手に強くなったとのこと。ついでに3色全ての魔法も使えるらしい。 ……人を見かけで判断するものではないな。 「…して僕たちの愛は確固たるものになったのさ!ラブって素晴らしいよね!」「…あぁ」 「君たちもラブを大切にしなよ!それじゃ僕はそろそろ失敬するよ。行くよマイハニー!」 「はい、あなた!」 桃色のオーラを出しながら、ハノイ…いやハノイ夫婦は去って行った。 「まるで嵐だな……」 「えぇ……」 懐の時計に目をやれば、短針がひとつ進んでいた。 一時間も語られたのか…… 「少し時間が押したか…手早くクエストを終わらせるとしよう。 一通りの道具はあるな。よし、行くぞエリス」 「はい……あなた」 …………………… 「きゃああああぁぁぁ!?ごごごごごごめんなさい! 悪気はないんです!ただハノイさん達を見てたらなんかそう言いたくなったといいますか、 気の迷いといいますか、羨ましかったといいますか、ああそうじゃなくて…… とにかくソウマ様本当にごめんなさい!」 「何をそんなに慌てているんだ?むしろ様を取った呼び方だから嬉しいくらいだぞ?」 半分嘘だ。内心私も凄く慌ててる。なんだこの感情は……! ハノイ夫婦の妙な空気にあてられたか……? 「ハノイ達が羨ましいなら、私達も今すぐに式を挙げてみるか?そうすれば完全に問題はない」 「なっ!?だ…駄目ですよ!ソウマ様がゆっくり落ち着いてからって言ったんじゃないですか!」 「そうだったか?」 「そうです!そそそれじゃあ早く行きますよ!ネストルさんがきっと助けをまってます!」 「そうだな……では行くとしようか、奧さん?」 「~~~~~~~~っ!!??」 不意打ちの仕返しにこちらも軽く不意打ちで返すと、 エリスの顔は急速に赤く染まっていった。もっとも私も負けてはいないだろうが…… 我ながら頭のネジが抜け落ちすぎである。なんとまあ恥ずかしいことを! ……恥ずかしいついでに、本当に仕事全て投げ捨てて式を挙げてしまおうか? いやいや、流石にそれはまずいか。やはりけじめはつけないとな。 ほんの少し未練があるが…… 「ほら、行きますよソウマ様!」 顔を赤くして、けれどどことなく嬉しそうなエリスに左手を引かれ、 私は今日も、そしてこれからも、愛する人と共に忙しいながらも幸せな日々を過ごしていくだろう。
https://w.atwiki.jp/7d2020-2/pages/102.html
CHAPTER6 巨大遺跡の王 ※このページはまだ書きかけです。 CHAPTER6 巨大遺跡の王 攻略チャート1.マイルーム ムラクモ居住区 2.国会議事堂 3.東京地下 メトロ深淵 4.東京地下 塔ノ庭園 5.血戦ノ闘技場 6.塔ノ庭園 7.西ノ広間 8.東ノ広間 9.血戦ノ闘技場 CHAPTER6 クエスト他命の恩人に渡して下さい 気持ちの整理を… 非番のムラクモへ 手紙を渡してちょーだい! 攻略チャート 1.マイルーム ムラクモ居住区 部屋にイズミが来て会話イベント 選択肢 結果 もちろんだ ストーリーが進行する いつか超えなきゃな ストーリーが進行する 就寝中にイベント発生。起きるとイズミから弁当が届いている。 イズミからの弁当 からあげ弁当 1個 その後、ムラクモ本部へ。 2.国会議事堂 改修案 報酬 必要条件 必要Dz 武装Lv7 新商品 武装Lv6 11Dz スキルLv4 新スキル スキルLv3 13Dz 大浴場Lv2 ごゆるりと・・・ 大浴場Lv2 3Dz ラウンジLv2 蘇生テクニックLv2 ラウンジLv1 3Dz サイキックが居るならスキル開発案再優先。ぶっ壊れスキルのフロストバーンが登場する。 居ないなら武装開発案でいいかも。メディスIVと蒼竜水が販売され、継戦能力を大幅に向上させられる。 Lv7からフィジカルガードが販売されるため優先的に購入。ただし前章山手線内で1つ、今章東京地下で1つ入手できるので買うのは4つで十分。 前作同様今作でも出血を単体で防げる装備はないので出血対策はこれに頼ることになる。 次点で防具の更新を。武器は今章終盤で達成できる60人救助報酬でも入手できるため、金銭的に厳しいなら最悪後回しでもいい。 トリックスターは今章のクエストで専用装備の短剣と防具を入手できるので、それも踏まえて購入計画を。 大浴場はようやくEXゲージ回復効果が付くようになる。 が、肝心の質の良すぎる燃料入手手段が現状だと池袋のデクマグネルかフロワロシード系しか落とさないうえに低確率。 ムラクモ本部でイベント後、東京地下メトロ大遺跡へ。 3.東京地下 メトロ深淵 通過するだけ 4.東京地下 塔ノ庭園 入ってすぐ目の前のシンボルはドラゴンハンマード しばらくすると移動し始め、途中で二手に分かれるので片方ずつ処理。 通常、振り下ろし、なぎ払いを繰り返す脳筋なので、同時に相手取るにはかなりきつい。 雑魚戦はカエル合唱団再び。睡眠対策が必須。単体ではあるが出血攻撃や麻痺攻撃も来る 壁ドラゴンはキルホーンドラグ 通常は牙折有効、麻痺、出血対策必要、スキル封印は現状防ぐ手段がない 1T 通常2 2T 封じの叫び 突進の構え 3T グレートホーン 通常 4T 通常2 5T 通常2 以下繰り返し 武装Lv7になっていればフィジカルガードで麻痺と出血両方防げるので楽になる。 麻痺で行動不能の方がキツイが出血ダメも51と割りと洒落にならない。アイテムも勿体振らず使っていこう。 奥のセーブポイント辺りでイベント、真っ直ぐ以外は進めないので素直に直進。 宝箱 ガードリングIII 1個 宝箱 ヒールエアロIII 5個 救助 オタクなお兄さん 5.血戦ノ闘技場 中央でイベント戦。 選択肢 結果 データ収集のため交戦する ストーリーが進行する 準備を整えてかかる 戦闘は4T目に終了する。 1T 最速発動岩落下+甲羅篭もり。 2T 通常2 3T 通常 隠れバーンブレス 戦闘後、自動で入り口に戻る。 6.塔ノ庭園 左から1番目 螺旋階段途中の部屋でドラゴンハンマード2と宝箱 背後を取るのは楽なので1Tで殺しきれる火力がない場合は奥義使用も検討に。 宝箱 ヒールエアロIV 4個 宝箱 フィジカルガード 1個 7.西ノ広間 次の部屋が目的地その1 入ってすぐのシンボルはアイスモーフドラグ 加速準備で回避率を大幅に上げてくる。 壁ドラゴンの癖に動くので背後を取るのは楽だが、壁フロワロ越しにドラゴンハンマードが乱入してくる。SPボーナス付きで3体纏めて倒せるなら美味しい。 奥でブラッドスナッチと戦闘 1T ブラッドリアクト 通常 2T 封印キャノン 大回転の構え 3T 大回転 通常 以下繰り返し ブラッドリアクトで再行動、再行動時にHP回復+スキル封印攻撃を行うため出血防御必須。 封印キャノンは単体攻撃なので、出血さえ防げていればどうということはないはず。 宝箱 アタックリングEX 1個 宝箱 ヒールエアロIV 4個 救助 マニアなお姉さん 左から二番目 キルホーンドラグ1と救助者2名 宝箱 食材セット 6個 宝箱 オゾナールオール 2個 救助 コダチ 救助 怯える研究員 8.東ノ広間 右から二番目の通路、螺旋階段上の部屋に入る。目的地その2は 行けない部分は隣の入り口から入るので気にしなくていい。 瓦礫撤去イベントあり。 選択肢 結果 やっぱり開発班は頼れるな ストーリーが進行する いつも協力ありがとう ストーリーが進行する 奥でロックスナッチと戦闘。 大気振動の効果は2ターン後に最速のタイミングで発動。直前にHPを減らしたままターンを終えないように注意。 1T 通常 大気振動 2T 封印キャノンor通常 3T 岩落下 通常 大回転の構え 4T 大回転 通常 以下繰り返し。 倒すとイベントで強制的に螺旋階段地点まで戻されてしまう。 ロックスナッチの側から回り込まないと戦えない位置にいる、壁フロワロのキルホーンドラグを倒し忘れないように。 宝箱 SPアップ500 2個 螺旋階段下の部屋にアイスモーフドラグ2体と宝箱。 宝箱 特上ひのまる弁当 2個 1番右の通路に入り、螺旋階段上の部屋へ向かう。 最奥でウォールスナッチと戦闘。 1T 通常or封印キャノン 外郭にエネルギーを集中 2T 外郭硬化 通常or封印キャノン 3T 通常or封印キャノン 大回転の構え 4T 大回転 封印キャノン 5T 通常or封印キャノン 麻痺・ハッキングで外郭エネルギーや構えが取れないともう一度同じ行動を繰り返す。 他二体に比べて封印キャノンの頻度が高い。 救助 カミヤマ 下の部屋に救助者あり。 救助 ヤマモト 宝箱 特大からあげ弁当 2個 目標のドラゴン3体を全て倒し終わると、自動的に入口へと戻される。 この時点でクエストも含め要救助者を全員回収していれば、61人になっているはず。 一旦議事堂研究区に戻り、60人救助報酬の「イロモノセット」をもらっておこう。 名前こそアレだが、中身は武装拡張案Lv7より1ランク上の各種武器になっている。 ただしアイドルのメガホンのみ、ATK>MAT型のものになってしまうので、完全な上位品ではない。 9.血戦ノ闘技場 ジャバウォックと戦闘 出血が防げないと詰むので全員フィジカルガード*2装備 1T ブラッドリアクト パワータックル 2T ハンマークラッシュor通常 力溜め 3T バーンブレス(全・火ブレス・封印) 通常 以降2Tと3T繰り返し HP60%以下?で力溜め前後の行動が変わる ハンマークラッシュ 通常 パワータックルorハンマータックル 力溜め 大暴れ(全・物理) バーンブレス 通常 ハンマークラッシュorパワータックル リアクトが切れる度にブラッドリアクト+パワータックル追加 会話的に強キャラ感漂ってるが出血さえ防げれば封印との運ゲー。 デストロイヤーが主力の場合はフォローミー等で先導しないと中々削れなくて悶々とするやも。 HP6割切るとバーンブレスの頻度が下がるので大分マシになるが。 マイルームで寝るとチャプター7へ チャプター7 CHAPTER6 クエスト他 クエスト名 依頼者 報酬 発生条件 命の恩人に渡して下さい 一般人 天然不思議っ娘 SPアップ300 ×2ヒールエアロⅣ ×3 『首都高にバケモノが』クリア? 気持ちの整理を… 自衛隊 リン SPアップ200 ×2 非番のムラクモへ ムラクモ ナビ SPアップ500ギガントメダル 手紙を渡してちょーだい! SKY ネコ SPアップ200 ×2フィクスエアロ 命の恩人に渡して下さい 居住区Aの少女と会話→池袋中枢でフリーズドラゴンと戦闘。 チャプター5のものより数段強化されている。 ぶっちゃけ受注時点だと無理ゲーなので後回し推奨。 居住区A右上にいる、天然不思議っ娘と会話 選択肢 結果 正直、微妙かも… クエストが進行する おにぎりよりは、まあ… クエストが進行する キーアイテム「おそなえセット」を入手 池袋 中枢ポイントから入るといきなりイベント後、即フリーズドラゴン戦なので準備万全で挑もう。 パーティスキルなどを使っておきたい場合は、別のジャンプポイントから徒歩で中枢ポイントのイベント発生位置に接近すること。 戦闘終了後再びイベント、おそなえセットが手渡される。 議事堂 天然不思議っ娘に報告、報酬をもらって依頼達成。 気持ちの整理を… リンと会話→キリノ、ネコ、イズミと会話→リンと会話 リンは自衛隊駐屯区会議室、キリノはムラクモ本部、ネコはSKY居住区、イズミはマイルーム隣のムラクモ10班自室。 ラウンジがあると弁当入手後にトリックスター武具入手 非番のムラクモへ ナビと会話→研究室左部屋の研究員と会話→池袋400m外周でブリザロスと戦闘→研究員と会話 火力が高いので火傷、ディフェンスゲイン等が必須。凍傷も痛いので行動回数が多いキャラは防止アクセを付けておこう。 2回目の研究員との会話時 選択肢 結果 ホントに平気? クエストが進行する SKY以上に酷使してるはず クエストが進行する 選択肢 結果 短い命って… クエストが進行する ふたりには長生きしてほしい… クエストが進行する クエストクリア後にマイルームに戻ると、ナビのメッセージが添えられた「ひのまる弁当」が入手できる。 ナビからの弁当 ひのまる弁当 1個 ラウンジがあるとナビたちとのイベントが発生。 選択肢 結果 自信が沸いてきた! イベントが進行する 頼もしくなったな! イベントが進行する 選択肢 結果 もちろんだ! イベントが進行する そう望んでくれるなら イベントが進行する 選択肢 結果 もちろん! イベントが進行する 当たり前だ! イベントが進行する イベント中、「ナビカップケーキ」を3個と「3.6のアドレス」「3.7のアドレス」を入手する。 手紙を渡してちょーだい! ネコ→アリアケ→ネコ クエストクリア後にマイルームに戻ると、ネコのメッセージが添えられた「からあげ弁当」が入手できる。 ネコとの会話時 選択肢 結果 あのオジサンって誰のこと? クエストが進行する バカな作戦ってわけでも… クエストが進行する 2回目のネコとの会話時 選択肢 結果 手紙じゃなくて、会って話せ クエストが進行する いつまで逃げてるつもりだ? クエストが進行する 選択肢 結果 オジサンは会いたがってるよ クエストが進行する もっと素直になれ! クエストが進行する 選択肢 結果 ネコは知れでいいと思う クエストが進行する 気持ちはきっと伝わってるよ クエストが進行する ネコからの弁当 からあげ弁当 1個 タイプ シンボル 宝箱 個 救助 改修案 報酬 必要条件 必要Dz Dz からの弁当 弁当 個 選択肢 結果 ストーリーが進行する ストーリーが進行する
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/26.html
ちゅういがき ・全力でネタです。 ・エロ? 何ですそれ? ・麻雀わかんないと多分わかんないです。 その日、学都プレロマには各国の首脳が集っていた。 カザンからは、ドリス大統領。 ミロスからは、エメラダ女王。 アイゼンからは、ソウゲン王。 ネバンプレスからは、ジェッケ代行。 マレアイアからは、セティス女王。 プレロマからは、ノワリー学長。 円卓のはずれには、オブザーバーとしてインビジブル子。 世界を動かす、そうそうたる面々であった。 拡大するグローバリズムのなか、もはや一国だけで国家は成り立たない。 ゆえに彼らはこの場に集い、自国の威信と権益を賭けて戦うのだ。 「次の議題は、マレアイアの入国条件緩和に関する提案です。 発案者のソウゲン王、詳細をお願いしますです」 司会進行を勤めるファロがソウゲン王を促す。 「マレアイアの政策は、時代錯誤的な逆差別であり、不平等だ。 マレアイアに男性が入島できないことによる機会損失は、日に日に拡大している。 マレアイアは因習を捨て、近代化すべきである。以上」 「セティス女王、反論をお願いするのです」 「マレアイアは、行く場を失ったすべての女性に対して開かれています。 あなた方の社会が、そういった哀れな女性を今後一切生み出さないというのであれば、 私たちは入島規制を見直しましょう」 セティス女王は毅然として言い放った。 「では、決を採るのです。ケツと言ってもお尻とは関係ありません、ドリス大統領」 「そこで俺か!?」 「ソウゲン王の提案に賛成の方は挙手を願います」 ソウゲンとノワリー、エメラダが手を挙げた。 プレロマはマレアイア遺跡の学術調査に男性職員を送り込めないことに、強い不満を持っている。 エメラダは、話はよくわかっていないが、とりあえず「不平等」に反応したらしい。 「ソウゲン王の提案に反対の方は挙手を願います」 セティスと――インビジブル子が手を挙げる。 「オブザーバー投票権を行使させてもらいます。あの温泉を無駄に混雑させたくはありませんので」 「そのほかの方は、棄権ということになるのです。 ではソウゲン様とエメラダ様、それからノワリーは卓につくのです。 セティス様とインビジブル子さんもお願いするですます。 数が合いませんので、規定によりセティス様とインビジブル子さんはおのおの1名、打ち手を召喚できます。 またソウゲン・エメラダ・ノワリーチームは、相談の上、1名を召喚してください」 「では、シャンドラを」 「ドリス大統領に入っていただきます。雪辱戦も兼ねたいものですから」 「雪辱って、インビジブル子、今回は仲間――いやすまん。俺が悪かった」 「我々はエメル様をお呼びしている」 「……いいのか、それ」 「ルール上、違反ではありませんです。ノワリーらしい陰険で陰湿で重箱の隅を突いた作戦です。 とっとと、A卓とB卓にご着席するです。ノワリーは特にさっさとするです」 かくして、A卓にはソウゲンとエメラダ、セティスとシャンドラが座った。 B卓はエメル・ノワリー、ドリス・インビジブル子が着座する。 「では、決議を開始するのです」 ファロの合図とともに、洗牌が始まった。 A卓では、開始早々に壮絶な激突が始まる。 口では何のかんの言いながら、中身は徹底した男尊女卑のソウゲン王。 その手合いの男を生理的に受け入れないシャンドラ。 この二人は、文字通り、水と油だった。 6順目、ソウゲンからリーチが入る。セティスとシャンドラに緊張が走った。 (セティス様――!) (動揺してはなりません、シャンドラ。打ちあわせ通りに) (は、はい) シャンドラが白を切り、それをセティスが鳴く。一発が消えた。 「ほう、ほう、ほう、ほう、一発消しか! 目先の点棒が大事なのですな。 だが、目の前に見える1飜を追ったところで、悠久の大河の流れは変えられん」 言いながら、ソウゲンがツモ牌を卓上に滑らせる。 「ツモだ、お嬢さん方。8000」 「ツモったというなら、牌を倒してから言うんだな。 そもそも、まだツモ牌が何かを見ていないうちからツモ宣言とは。チョンボは12000だぞ」 シャンドラが食ってかかる。 「ほう、ほう、ほう、ほう。ならばご覧に入れよう」 ソウゲンが手牌をパタパタと倒していく。高め3色ドラ1の聴牌。 「そして――ツモだ」 ソウゲンがツモ牌を表に返すと、確かにそこには3色を成立させるツモがあった。 「うわあ、凄いですねぇ、ソウゲン王! これ、盲牌ってやつですよね!」 「似たようなものです、エメラダ女王」 無邪気にはしゃぐエメラダ。シャンドラは苦虫を噛み潰したような渋面をしている。 だが、セティスの心はその程度では折れない。 初手の①をツモ切ると、それ以降、手出しで河に②、③と並べていく。 ⑨まで並んだところで、ソウゲンがたまりかねて声を荒げた。 「セティス女王陛下、あなたは――舐めていらっしゃるのかな」 セティスの目が正面からソウゲンの双眸を捕らえる。 「何を怯えておられます?」 ソウゲンは押し黙った。そして不機嫌なまま、Ⅸをツモる。ドラ。だが、使いようのないドラだ。 (頭になるのを待つ――それはない。既にメンツオーバー気味なんだ) (単騎。ありえん。タンヤオしか知らんエメラダは放銃するかもしれんが、エメラダから上がっても意味がない) (切る。それもない。シャンドラがチャンタ気味に見える。鳴かれてはかなわん) (セティスは……無視していいだろう。あんな麻雀があるか) (ならば、抱え死に。それでいい。どうせたいした手ではない。オリだ、オリ) 考えがまとまろうとしたそのとき、するりとセティスの声が心に忍び込んだ。 「悩むなら切ってしまえばいいのに」 促されるように、ソウゲンはⅨをツモ切る。 「――ロン。チャンタ、ドラ3、8000」 セティスが牌を倒し、ソウゲンは何気なく8000点を支払って―― そのとたん、ソウゲンの顔が真っ赤に染まった。 (この魔女め、仕掛けおった!) 一通を河に並べることで生まれた、疑いと、わずかな、わずかな恐怖。 そこに、魔力を持った声が、「リクエスト」したのだ。 ソウゲンは歯軋りしながらも、洗牌をはじめる。 たとえイカサマだろうと、現行犯で挙げられなかった以上、手遅れだ。 それに、これがイカサマであると、どうやったら証明できるというのか? 一方B卓は、別の意味で荒れていた。 「ツモ。タンヤオ、1000」 「ロン。タンヤオ、1000」 「ロン。中のみ、1000」 インビジブル子の速攻である。 3~4順あれば役満イーシャンテンが当たり前なメンツのなか(除くノワリー)、 インビジブル子は5順目にはほぼ確実に上がりきっている。 一度はドリスがダブリーをかけるも、ツモを鳴き崩して3順でタンヤオを上がりきった。 もちろん、ドリスは今回に限っては味方であるのだから、ドリスのダブリーを蹴る意味などない。 だがインビジブル子は、自分が勝つこと以外、眼中になかった。 エメルは苦笑いしながら直撃を避けて慎重に打ち、 ドリスは愉快そうな笑みを浮かべて大役を狙い続ける。 インビジブル子は無表情のままタンヤオを上がり続ける。 彼らは、ファロ曰く「雀力カウンターが振り切っちゃう人たちなのです」なのだ。 ノワリーおいてけぼり。 だが、ついにエメルが動いた。 A卓は配牌も全自動で行われるが、B卓は卓が旧式のため、配牌は手動で行っている。 ドリスの鷹のような目は、エメルがインビジブル子の4トンに何かを積んだのを見逃さなかった。 だが、手を掴むには遅い。それに、仮に手を掴んだところで、あまり意味がない。 インビジブル子の手牌を開けて、それが5シャンテンだったとして、「だからイカサマだった」と言えるだろうか? 何かが積まれるたびに、エメルの手が常軌を逸して良くなっているなら、まだいい。 それすら2シャンテンだったりしたら、言いがかりをつけたほうが不利だ。 エメルは3回に渡ってインビジブル子の4トンに細工をしたが、ドリスはそれを見逃すしかなかった。 ドリスは手牌をもう一度確認する。チートイのイーシャンテン。格別良くはないが、悪くもない。 ならばスーアンを狙いつつ、最低でもチートイドラ2か、ホンイツチートイを狙う。そう決めて、五を切った。 ノワリーがツモり、河に①を落とす。 インビジブル子は、黙って⑨を手出し。 エメルは軽く微笑むと、南をツモ切り。 (エメル――何を考えている? 何を仕掛けた?) ドリスは必死で思考をまとめようとする。 だが、まるで想像がつかない。山をいじったのだから、テンホーか、それに近い何かがあっても不思議ではない。 いや、山をいじるというリスクを犯したからには、それくらいの何かがないというのは、むしろ異常だ。 ただ単にインビジブル子の速攻を封じるために山に触ったのなら、 インビジブル子の配牌を乱すより、自分の配牌を良くしたほうがいい。 (おかしい。何かが――何かがおかしい。何だ? 何が起こっている?) エメルの仕掛けは、すぐに判明した。 「ツモ。タンヤオ」 インビジブル子が手を倒す。 ③③ ④⑤⑥ ⑤⑥⑦ 三三三 ⅢⅢⅢ ドリスはぎょっとしてインビジブル子の河を確認する。 ⑨が3枚ある。河だけみれば、彼女が不調なときに出現する河。だが⑨はいずれも手出しだった。 ――おそらく、インビジブル子の配牌+第1ツモは ③③ ⑤⑤⑥ ⑨⑨⑨ 三三三 ⅢⅢⅢ こういう状態だったのではないだろか? 彼女はここで⑤を切ってダブリー三暗刻を狙ってよいし、 常識的に言えば⑥を切ってツモスーを狙ってもよかった。 ツモスー聴牌にとって③で出上がりでも、勝負は決まる。 だが、これが罠であることを、彼女は瞬時に見抜いた。 おそらくエメルは、⑤⑥待ちで手牌を調整していたのだろう。 (かといって! ほぼ間違いなくアタリだと分かっていても、四暗刻聴牌を1000点に崩せるか!? ③に手をかけて三暗刻に浮気しながら回るのでもなく、純粋に速度だけを求めてタンヤオに、だぞ!? いかんな、ドリス! もう少し、真剣にやらねば。インビジブル子に申し訳がたたんぞ) A卓は、少しずつソウゲン王が卓を支配しつつあった。 セティスとシャンドラにとって、ソウゲン王は、実はあまり問題ではない。 本当に問題なのは、エメラダだった。 エメラダは、タンヤオとホンイツしか知らない。 だが意味不明なまでに大量に絡みまくるドラのせいで、その打点は恐ろしく高い。 エメラダへの振り込みを恐れて手を縮めると、ソウゲンが走って上がる。 この繰り返しは、マレアイア組の気力と体力を着実に奪っていた。 (セティス様、このままでは――) (耐えなさい、シャンドラ。麻雀は忍耐のゲームです) (で、でも、どうにかして反撃しないと) (シャンドラ!) セティスの叱咤を感じつつ暗澹とした気分で手牌を開いたシャンドラだが、 そこに広がっている風景を見て一気にその表情が明るくなる。 (いける! ホンイツチートイのイーシャンテン!) と、そこでソウゲンが笑いながら声をかけた。 「ほう、ほう、ほう、ほう、随分良い手が入ったようですな、警備兵どの。 あなたは実に女性らしい分かりやすさがあって、助かりますぞ」 「隠し事をしないのはとても素晴らしい美徳ですわ、シャンドラさん」 エメラダの屈託ない声がシャンドラの神経を逆なでする。 ソウゲンの挑発だけだったら、彼女は耐えただろう。 だがエメラダの一言が、彼女の忍耐の鍵を吹き飛ばした。 (ふざけるな! ふざけるなよ!) (貴様ら――貴様らのような――貴様らのようなやつらが、 その笑顔の下で知らず知らずに踏みつけにした人々を―― 何の力もなく、最後に残った勇気をかき集めて逃げてきた彼女たちを―― 守っているのは、私たちだ!) (貴様らは、いつだってそうだ! はじめは、「女の子なんだから、そんなに頑張らなくていいんだよ」 それでも努力すれば、「女の子なのに、よく頑張るね、すごいね」 けれど血の滲むような訓練の先に、対等以上に渡り合える力を手に入れてみれば、「女のくせに」だ!) (弱ければよかったのか!? 適当に自分の優位を見せ付けられる程度に弱ければ、それが良かったのか!? 女は、貴様らの価値を引き立たせるための、飾りだとでも言うのか!?) 怒りのままに、シャンドラは第1ツモを取る。 そこには、まるで天命のように聴牌した牌姿があった。 流れるような動作で牌をとり、横にして卓に叩きつける。 「ダブル・リーチ!」 ――だが、ソウゲンは不敵な笑みを浮かべていた。 「ほう、ほう、ほう、ほう。怖い、怖いな。実に怖い。何が安全牌かも分からんなあ」 そういいながら、シャンドラが切ったⅦを河に放る。 「はん、回ったところで、私は確実にツモる」 「ほう、ほう、ほう、ほう、勇ましいな。だが、その自信はどこからくるのかな?」 「ええと、お話中すみませんけど、それカンです」 エメラダの声がかかった。ドラ4。 さっと、シャンドラの顔から血の気が引く。セティスは天を仰いだ。 「えい、と。ああ、残念。じゃあこれいらなーい、でーす」 エメラダが白を河に置く。 「ポン。ではもう一度回らせていただくかな」 ソウゲンがⅦを放った。 セティスがようやく初ツモを取り、白を捨てる。 エメラダがツモって、嬉しそうに「カン!」と叫ぶ。ドラは8になった。 顔面蒼白になったシャンドラが、震える手でⅢをツモり、ぽろりと河に落とす。 「ロン!」 エメラダから元気の良い声がかかった。 シャンドラの両目からどっと涙がこぼれ、卓をぬらした。 B卓は、終盤にさしかかっていた。 点差は、無いに等しい。けれどインビジブル子の速度は、点数的な僅差などものともしなかった。 ドリスはついに決断する。このままでは麻雀にならない。なんとかして、彼女を止めねばならない。 ドリスはエメルと目配せし、そこに同意が成立した。 ここは、人間の首脳会議だ。竜がトップを取るなど、許すわけにはいかない。 ドリスとエメルが、インビジブル子の4トンに次々に「仕掛け」をしていく。 老練の技を持つ二人である。わずかな怪しさを感じさせはしても、手を掴ませるような失態は犯さない。 そうするうち、配牌が終わった。 インビジブル子の手には、ヤオチュウ牌とオタ風がランダムに集まっているはずだ。 そしてそれは、国士にはあまりに遠く、かといってチャンタにもまた遠い、そんな手のはずだ。 ――はずだった。 牌を開く、その一瞬、風が動いた。 卓の全員(除くノワリー)が、何が起こったかは理解した。 だがそれでもなお、彼女はあまりにも速かった。 「こざかしいですね、人間というのは。これが瞬動(ゴッドスピード)というものです」。 インビジブル子が、そっと呟く。 グダグダになっていた彼女の手牌は、目にもとまらぬ早業で、山とそっくり入れ替えられていたのだ。 人間界では「ツバメ返し」として知られるイカサマである。 「さすがに……ここでテンホーにはならないですね。ニャア姉さんみたいにはいかない……」 そう呟きながら、インビジブル子がダブリーをかける。 当然のような顔をして、ノワリーが一発で振り込んだ。 「ダブリー、一発、ドラ1裏1で8000。小細工をしたわりに、つまらないエンディングになりましたね」 「……どうかな? まだ勝負は終わっちゃいない」 「終わったも同然です。もちろん、あなたにはたっぷりと警戒させていただきますけどね、ドリス大統領」 南4が始まった。親はドリス。 だがドリスは配牌を閉じたまま、動かない。 両目を閉じ、物思いにふけっている。 「……どうしました、ドリス大統領。親が打ち始めないことには、ゲームは始まらない」 ふっと、ドリスが目を開けた。 「失礼。はじめよう」 ドリスが手牌を開ける。インビジブル子は、食い入るようにドリスの手元を見ている。 すり替えでテンホーはさせまいという意気がありありと分かる。 が――ドリスの手牌は、テンホーからは程遠かった。それどころか、聴牌にも遠い。 (やはり、か。くだらん小細工をした直後、こんな流れになっていても不思議ではない) (だがこれを受け入れねば。まずは現実を見るのだ、ドリス。 受けるべき罰は受けよ。そして――そこからが戦いだ。 インビジブル子より、速く。速さそのものを体現する彼女より、速く、だ!) このとき、ドリスの手牌は実に ① ③ ④ ⑦ ⑨ 四 八 八 Ⅸ Ⅸ 東 南 北 白 地平線の彼方に辛うじてチャンタが見える、そんな手だったと、記録は伝えている。 だが、ドリスはⅨを切った。 ノワリーがツモって、ツモ切り。インビジブル子は北を落とし、エメルは八を切った。 「ポン」 ドリスの声がかかる。 ドリスの額には、うっすらと汗が滲んでいた。わずかに震える手で①を落とす。 (速度。より速く。だが、絶対的な速度でインビジブル子に勝てるはずがない) (ならば、次元の違う速度こそが勝負の要諦。速度という概念よりも、速く!) 再び手順が巡り、ドリスは白をツモってくる。 (信じろ。自分の技を、速度を、信じるんだ) 6順が回って、インビジブル子が一瞬、牌を切る手に躊躇いを見せた。 が、すぐに手から白を落とす。 (聴牌か。常識ならば、あれをポン。だが、それではインビジブル子には勝てん。 その速度は、インビジブル子の速度。そのレベルで張り合う限り、勝ちはない) そしてドリスのツモは――図らずして、手の中には白があった。ドリスは静かに四を河に放つ。 ノワリーはツモ切り。 インビジブル子も――ツモ切った。 エメルがⅨを切る。 そしてドリスがツモを取り、 牌を倒した。 ③④⑤ ⑦⑧⑨ 白白白 (八八八) Ⅸ Ⅸツモ 場が凍りつく。 「……そ、そんな、安い、マグレみたいな、手なんかで―― しかもフリテン――な、なんでⅨ――普通に考えて四……」 「だがお前より速かったぞ、インビジブル子」 「ふーむ。ドリス、これはまさか、伝説の」 「知っているのか、エメル。そうだ。これが亜空間殺法。 単純な速度で勝てないなら、亜空間で勝負すれば、と思った」 「……たかが、たかが、わけのわからない鳴き麻雀で、 ちょっとくらい点棒を取り返した程度で――」 「そうだな、その通りだ。では続きをやろうじゃないか」 ドリスはにやりと笑った。その笑みに、卓は再び凍りついた。 そして―― 「御無礼、天和だ。俺の勝ちだな」 そのころ、A卓もまたゲームは終わりかけていた。 シャンドラの心は完全に折れてしまっていて、 「魔女」セティスといえども一人ではエメラダの圧倒的リードを崩すことなどできなかった。 だが、セティスは、負けられなかった。 ここで負ければ、マレアイアの平和は終わる。 何としても、勝たねばならなかった。 どんな手段を用いてでも。 彼女は、覚悟を決めた。 初手、手からドラの⑦を落とす。 2順目、またしても⑦を切る。 エメラダはきょとんとしている。彼女にとってドラは自然発生するものなので、その価値がイマイチわかっていない。 シャンドラは、女王のすることを呆然と見守るのみだ。 そしてソウゲンは一人、わずかなおびえを感じ始めていた。 (これは、国士。それ以外あり得ん) ソウゲンは、自分の能力の限界を知っている。 そんじょそこらの平民どもや、ろくな血筋を引かぬ貴族どもに、負けるソウゲンではない。 だが、このレベルの戦いとなったとき、彼は何度もその傲慢を現実のハンマーで打ち壊されてきた。 特にドリス=アゴートとかいう成り上がりには、徹底的に痛めつけられた。 だから――だから、彼はもう、自分がスーパーヒーローではないことを知っている。 リッケンがソウゲンを支持するようになったのも、 ソウゲンがそのことを心の奥底でちゃんと理解したからだ。 (落ち着け、ソウゲン。これは魔女の姦計。怯えを抱けば、また振り込みを要求される) (恐れるな、ソウゲン。つけこまれてはいかん。お前は偉大なアイゼン皇国の王なのだから!) (だが、それでもワシのこの心は、恐れを感じずにはおれん! 所詮、そういう男よ、己は) (否。よいのだ。それでよい。そう理解していれば、それでいいのだ。だから、ワシは負けぬ) ソウゲンはひとつ深呼吸をすると、南を切った。 (リクエストは、されるだろう。ワシは魔女に屈する。だがそのとき、振り込むべき牌がなければどうだ) (姦計には、王道を持って戦う。降りてやろうではないか、この勝負から。堂々と、王者のオリを見せてくれる) 三枚の⑦がセティスの手から放たれ、ようやくシャンドラの目にも生気がもどってきた。 (間違いない――セティス様は、国士を張っていらっしゃる。 そしてソウゲンはそれを恐れてる。この勝負、もらった!) だが、彼女の顔は自分のツモを見て蒼白になる。 彼女の手の中には、4枚目の白があった。 (なんで……なんで、こんな……ひどい。ひどすぎる。 私がセティス様に差し込んでも、チームトータルの点数は変わらない。 でもこれでは、セティス様の国士は成立しない) 場は淡々と進み、そしてついに運命の刻は訪れた。 「リーチ」 セティスの美しい声が響き、点棒がおかれる。 シャンドラの顔は、もはや死人のそれだった エメラダは難しい顔をして自分の牌とにらめっこをしている。 ソウゲンは、自分の手牌を見て、そこに1枚もアタリがないことを確認する。 ソウゲンの口から、長い安堵の溜息が漏れた。 (ふははは、情けないが予想通りワシの心は隙だらけじゃ。 来い、魔女。好きなことを言うがいい。 だが、ワシがお前に振り込むことは、物理的に不可能だ!) セティスが、そっとソウゲンに囁いた。 「ソウゲン様は、女性がお嫌いですか?」 「もちろん嫌いではないですよ、女王。あなたのように若くて美しい方であれば、なお。 ただまぁ、所詮、婢(はしため)の類ではありますな」 ソウゲンが自分を取り戻すのに、数秒の時間が必要だった。 (魔女め! いったい何を――) そして、ソウゲンは自分がとてつもない窮地に立ったことを知る。 「……ソウゲン様。今のお言葉、見逃すわけにはまいりませんわね」 エメラダの周囲に蒼い怒りのオーラが立ち上っている。 「い、いや、そ、その、い、いまの、は、ですな……」 「言い訳無用。セティス様があなたにその言葉そのものを無理強いしたわけではないのは、私にもわかります」 (クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、このクソアマどもめがああああ! 落ち着けソウゲン、お前のやることはひとつ、降りろ。 堂々と、降りろ。王者にふさわしい、華麗で荘厳なオリを) (セティスは国士、エメラダは――タンヤオかホンイツしか知らん。 そうだ、⑧のアンコを崩すのはどうだ。 ⑦の壁がある以上、タンヤオの危険はほぼない。いや、ありえん。 エメラダの河はピンズで一杯だ。ホンイツも、ありえん。 当然、国士のセティスにもあたらん。そうだ、それで3順稼げる。⑧だ。⑧しかない) ソウゲンの手から⑧が零れ落ちた。 「ロン」 セティスが澄んだ声を発する。 「メンホン、中、ドラ1。12000」 「セティス様! 国士じゃ……」 「ご覧の通り、ただのホンイツです」 「っく、この魔女め。だが残念だったな、12000ではワシのトップは動かん」 「本当にそう思われます?」 そのとき、エメラダが牌を倒した。 「ロンでーす」 ソウゲンがびくりと身体を震わせる。 「えへん。ヴォルグに新しい役を習ってきました。トイトイ、でーす。トイトイのみー。 あ、ドリス大統領、そっち終わったんですかー。すみません、これ、何点ですか? ドラが全然なくって、マンガンにとどかなかったんですよー」 ドリスは首を振りながら苦笑いする。 「おお、わが麗しき女王陛下。最初に、ヴォルグ殿を罰しないとお約束ください」 「え? ええ、そりゃあ、まあ、いいですけど」 「その手は、四暗刻単騎といいます。役満です。ここのルールではダブル役満」 「ええええー。だって、ヴォルグは、『安くて簡単な手です』って」 「ですから、その、まあ、ヴォルグ殿のことは」 「はーい。なんか難しいんですね、トイトイって! 今度から気をつけます。とりあえずダブル役満でーす」 ソウゲンには、ぽかんと口をあけることしかできなかった。 「ソウゲン様のトビで終了ですます。トンだチームは自動的に主張権を失うのです。 B卓もマレアイア組の勝ちでしたので、この議題につきましてはソウゲン王の提案は却下されましたです」 ファロが議事終了を告げた。
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/68.html
《一日目、1300時》 【カザン近郊、木の上】 「さ-てと、今日はどうしたもんかね」 日銭や食いもんはそこいらにいるモンスター誘い出しゃなんとかなるが、暇だけはどうにもなんねんだよな。 「…久しぶりに喧嘩でも吹っ掛けてみるか」 起き上がり街の方に向かう途中、女を介抱している男を見掛ける、…… ………まぁ暇潰しにはなるか… 「どうしたよ、こんな所で」 「はぁ、実は姉さんが毒にやられてしまって、すみませんが街まではどれくらいですか?」 「そんなに遠くはねえよ、付いて来な」 「え、あ、ちょっと待って下さい、姉さんを…」 「そいつはあんたのツレだろ?遅れんなよ」 そう言うと俺は歩きだす、まぁ、少しは気にしておくか… 俺は少し離れた所で殺気を放ち、モンスターをこちらに集めるようにする、 途中何体か襲い掛かってきたが、あいつらは…襲われてねえよな。 《1520時》 【カザン:六剣亭前】 「着いたぞ、ここに医者が居る、診てもらえ」 「あの、貴男は…」 「俺はいいだろ、怪我もしてねえし、じゃあな」 そいつらと別れ、丁度いい相手を探す、街中でやってもいいが、邪魔が入る時があんだよな、 ふと…別れる時宿から侍が焦って出て来た事を思い出す……俺はそいつを追う為に街を出た… 「さて、どこに行ったか…」 《1540時》 【森付近】 「お、いたいた…」 なんとか追い付いたようで、森に入る所が見えた、 「お手並み拝見…と」 俺は気配を消し木の上から様子を見る、早々マスクナッツ達の奇襲を受けていた、居合か…、1…、うわショボッ、…2、‥3、4、まぁそんなもんか、木を降りてそいつに近づく 「面白え事やってんじゃん、なあ俺とも遊んでくんない?」 「どこでだ?ここでも構わんが」 振り向かないが意識が俺に向けられる 「ここじゃ俺に有利過ぎるだろ、森の外でやろうぜ、その前にこいつをやるよ」 パロの実を投げる…時間差で2つ目、チッ…捕りやがった 「小賢しいな、まぁ、使わせてもらう」 俺達は森を出る 《1600時》 【草原】 「さ、どっからでもかかってきな」 両手を広げ挑発する 「なら、遠慮無く行かせてもらう」 そう言うと奴は5m程の距離を一気に詰めて来た ハッ、遅えな、飛び退きつつ牽制にダガーを投げる、…ッ居ねえ! その直後、地面に叩き付けられた、受け身は取れる、血は…斬れて…ない?こいつ、殴ったのか… 「んだよ、マスクナッツん時より速えじゃね-か」 「知るか、見誤ったのはお前だ」 「テメエ、コロス」 俺は気配を消し辺りに溶け込む、殺気を抑え、息を潜め、自然に紛れる… 「そんじゃあ、これならどうよ」 「ほう…流石だな」 奴は動かない、俺はその背中に狙いを付ける 「取った!」 「くっ」 今度は寸でで防がれたが、避けられはしねえのか、なら追い詰めてみるか 打ち込む際、奴の足下にワイヤーを通したダガーを挿していく、繰り返すうちに攻撃も擦るようにはなってきた 「これで…」 ワイヤーを張ったダガーを、回り込みつつ数本投げ付ける 「仕上げだ!」 ダガーを上に投げ、右手で逆袈裟に斬り上げる、 「チィ、浅いか」 そこに物凄い勢いで刀が振り下ろされた…紙一重で躱したが、奴の刀が弾け飛んだ。 …ヤバ過ぎるだろ…今のは… …さて、始めるか。 俺は姿を現し、話し掛ける、アレを決めるにはハッタリでもかますしかねえからな 「あんた、影縛りって知ってるか?」 「影縛り…?」 「ある呪を掛けた刄を影に刺すとな…」 ダガーに張ってあるワイヤーを引き、脚に絡ませる 「なっ足が!…ワイヤーだと?」 「影縛りなんて嘘に決まってんだろ」 奴に駆け寄り渾身の突きを繰り出す、 この突きもフェイクにしてワイヤーを掴んですぐに離れるつもりが、躱され肩打で弾き飛ばされる、 結構痛えが準備は整った… 「さぁ、ショウタイムだ」 仕掛けを起動させる、と… 今まで差し込んできたダガーがワイヤーに振り回されながら巻き取られる、 ──俺のダガーはグリップが短く根元には輪と短い刄が付いている、 輪にワイヤーを通し巻き取る事で絡めた物を切り刻める──と言う訳だ これで、奴はズタボロだ、そこに先程上に投げたダガーが落ちてくる、 あ-起動させんの早かったか… 背中に数本刺さっているが、致命傷とは行かねえだろう、俺は刀を拾い倒れている奴に近づく 「おい、なぁ、まだやれんだろ?」 柄で頭を数回小突くと柄を掴まれた、 瞬間、空気が変わった、もう脚は縛ってねえ…俺は一気に距離を取る、あの傷じゃここ迄は… 奴は立ち上がると、頭上に構え俺に向かってくる、 …速っ…回避が遅れ、振り下ろしに対してワイヤーの束で受け流すが、直後ワイヤーを通して電撃が走った 「っがああぁあぁぁぁ!」 …一瞬気を失っていたらしい、気が付いたら腹の辺りが凍っていた、更に追撃が来る…奴の拳が燃えている様に見えた、 止め処無く来る連打の中で、笑いが込み上げ止まらなくなっていた 「ッハハハハハハ…いいねぇ、サイコーだよ、あんた…もっとだ…もっと愉しもうぜぇ!」 最後に、止めと言わんばかりの一撃で殴り飛ばされる 「痛ってえな、まだまだこれからだぜ、っ…クソッ体が動かねえ…まだやれんだろ、っつ-かやらせろ!なんで俺の方が先に動けなくなってんだよ!」 「うるさい」 鞘で顎先をはたかれる 「がっ…くそが…憶えて…やがれ…」 《2120時》 【カザン:イカス治療院】 …っ、──ここは…? 気が付くとベッドで寝ていた…なんで?…奴は?…つ-かどこだよここ、誰が連れて来た?… 尽きぬ疑問が巡る中、誰かが話し掛けてきた 「やぁ、起きたね、調子はどうだい?」 誰?…なんか軽薄そうな男が居た… 「君の怪我ね、チョチョイのチョイと直しておいたよ、多分平気じゃない?」 ………医者!?こいつが!?まぁ確かに、白衣着てるし、そう言われればそうかもしれないが…しっくりこねえな。 「そう言えば、あいつ、あいつはどうしたよ?」 「あいつ?…ああもう一人の彼ね、彼も直したけど、まだ起きてこないねえ、 彼、君より酷かったのに、君を担いでここまで来たみたいだよ、君は火傷に全身打撲、彼は全身刃物傷だらけだったよ」 …なんで俺を助ける気に?まぁ敗けちまった訳だから、命があって儲けもんか… またやりてえが、殆ど手の内晒しちまったもんなぁ、 しかし初撃のアレ、なんで殴った?抜いてりゃアレで終わったのに… 「あ、そうそう治療費は先に起きた方に頼もうと思ってたから、君お願いね」 「え!?俺が!?」 「いいじゃない、そんなに高くはないよ、と言う訳でこれ徴収書」 渋々受け取り、額を見る 『治療代・35G、イカス』 簡素だな-、まあ払ってやるか、 「仕方ねーな、じゃああいつが起きたら俺の所に来いって伝えとけ、俺は寝る」 「あ、そうそう、君の名前は?」 「あ?カガリ(篝)だ、」 そう言い横になる、傍から見たら不貞寝に見えそうだな… 【カガリ編・一日目終】
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/49.html
大して知識も無いのに、緊縛とかフェラとか書いているので、変なところが多いです 一応、登場人物の設定です カルダモン:眼鏡メイジ♂、へたれ アニス:紫プリンセス、いつもは気丈 ヴァニラ:青プリンセス、ちっとも鬱じゃない。調教マスタリーLV10 あと、名前のみも少し カザンの一等地に建っているとあるギルド所有のギルドハウスで一人の男性と二人の女性が向き合っていた。 男性はこのギルドハウス所有しているギルド「Allspice」のギルドマスターを勤めているカルダモンで、 室内にも関わらずメイジの目印でもあるマントを身につけている。 女性は当ギルドの古参ギルドメンバーのアニスとまだ幼さの残る少女のヴァニラであり、二人とも歌姫・プリンセスである。 注意しておくが、彼等は何も、意味も無くただただ向き合っているのではない。言うなれば奥義の伝承である。 事の発端は数日前に遡る。ダーン洞の西にあり、ヒヨロン神水洞よりも東にある森で、一行は一匹のモンスターに遭遇したのであった。 そのモンスターというのが黄金の触手を持つモンスター「官能の奉仕者」である。 「何故、こんなところにローパー型のモンスターが」とは思ったものの、当のモンスターは答えてくれるはずも無い。 やられる前にやれ、ということで官能の奉仕者を倒した一行。 謎は謎のままだが、かくして一行は、そのモンスターの繰り出した技をヒントにして、プリンセスのEXスキルである「ナインテール」を編み出したのであった。 だが、そこで一つの問題が生まれた。そのとき、官能の奉仕者を倒したときのパーティメンバーにはプリンセスは入っていなかった。 プリンセスが一人でもそのときのパーティ内にいれば、その一人が他のメンバーに伝授すればいいのだが、そうではない。 官能の奉仕者に遭遇した地点に再び行ってみても、二度と遭遇することは無かった。 では、そのときのメンバーの誰かがプリンセスに教えなければならない。そのときのメンバーというのが、メイジのカルダモン、ファイターのパプリカ、ナイトのオレガノ、ヒーラーのユーカリ、の四人である。 パプリカもオレガノも前衛で敵の攻撃を防ぐのに精一杯で、観察をする余裕も無かった、ということで二人がまず省かれた。 それから、カルダモンかユーカリか、どちらが教えるかということを話し合いでもして決めればよかったのだが、 ユーカリ曰く「あなたの方が戦闘中暇そうでしたし、観察する余裕は十分ありましたよね」とのことで、反論する間もなく、役目はカルダモンに押し付けられたのだった。 実際、魔法で攻撃するよりも早く、他の三人がモンスターをタコ殴りしていたのは事実である。その為、彼は敵から離れていたこともあって、攻撃を食らうことは殆ど無かった。そして、現在。 「…黙ってても、全然解んないんだけど」 「そうなのだ、カルダモンちゃん。さっさとそのモンスターから編み出したスキルについて説明するのだ」 「は、はい…」 プリンセス二人に催促されて返事をするものの、カルダモンはあの技をどのように説明すればいいのか全く検討がつかなかった。 「ナインテール」は鞭を使ってのスキルである。調教マスタリーLV10のプリンセスでなければ、そのスキルを習得、使用することは出来ない。 ちなみに調教マスタリーLV10であるのはヴァニラの方である。気の強そうな外見のアニスはノーブルマスタリーLV10で鞭の扱いよりも、歌うことに長けている。 (とは言ったものの…あのモンスターの動きをそう説明すればいいのやら…) カルダモンは悩んでいた。非常に悩んでいた。あの触手を生やしたモンスターはこう言うのもアレだが、その名称も手伝ってか「どう見てもエロゲです、ありがとうございました」な印象しか受けなかった。 件のモンスターとの戦闘後にそのときのパーティ内の男達でもそんな話をしていた。 そのときのパーティでただ一人の女性パプリカは「ねばねばして、きもちわるーい」くらいしか言ってなかったが、それをオカズにナニをしたのは秘密である。 正直に言うと、他の女性のギルドメンバーの場合も見てみたかったなあ、とか思ってしまう。彼も男である。アレなことを考えたりもするし、ナニだってする。 女性経験が無いわけではないが、大して数は多くない。 ギルド内に恋人でもいれば話は別だが、そういうわけでもないし、風俗に行くのも気が引けるので、一人で寂しく処理したりしている。 椅子に座って大人しくしているヴァニラとは対照的に、ギルドハウス内のダイニング辺りをアニスは先程から落ち着いた様子も無くうろうろしている。 元来、彼女は気の強いところがあり、割かし短気な印象も受ける。何時まで経っても、話を進めないカルダモンに苛立ちを覚えるのは無理も無い。 アニスとカルダモンはギルド設立当初からの間柄である。ギルドを作ったものの、メンバー集めに悩んでいるカルダモンのところにアニスがやってきた、というのが二人の出会いである。 性格の違いから衝突はあるものの、決して仲違いするようなものではなく、仲間としての絆を深めるものだった。 人付き合いが苦手なカルダモンに代わって、殆どのメンバーはアニスが集めたが、あくまでギルドマスターはカルダモンである。彼もギルドマスターは彼女の方が適任なのでは、と思うことはあるのだが、その様な話をする度に彼女には怒られていた。 「…カルダモンちゃんは何時になったらヴァニラ達にそのスキルを教えてくれるのだ?」 「へ?…あ、あー、ええと、その…」 あのモンスターの動きを思い出して、説明しようと思っても、どのように説明すればいいのかそれさえ、迷う。 もう、いっその事「教えて、とか言われてもそんなの自分の口から言えるかー!!」とカルダモンは叫びたかった。 だが、彼にはそれさえ言うことが出来ないのだった。目を泳がせている彼には、そわそわと落ち着き無いアニスの姿が目に入った。 とりあえず、話を逸らそうと思い、彼女に声をかけた。 「アニス、とりあえず座ったらどうですか?」 「え、ええ、そうね…きゃあっ」 歩いていたところで急にバランスを崩して倒れ掛かったアニスをすかさずカルダモンが受け止めた。二人の間に「大丈夫ですか」とか「ええ」とか、他愛無い会話が進む。 「…本当に大丈夫ですか?なんだか、顔も赤いですし…熱でもあるんじゃないですか?」 「そう?別に、大丈夫よ…」 そう言ってアニスはカルダモンの腕から離れて、椅子に座った。彼女が離れるのと同時に彼女の香りも一緒にすーっと離れていってしまい、どこか寂しさを感じた。 彼女は大丈夫だと言ったが、やはりどこかいつもと違っていた。普段から彼女は優雅であり、美しい女性である。 それは今日も変わらない。そうなのだが、どこかが違っていた。…なんというか、艶かしい印象を受ける。 白い肌はいつもより赤く染まっており、金色の瞳は潤んでいる。溜息をする姿にも色気が漂っている。 いつもからこういうわけではない。だからといって、普段の彼女には色気が無いわけではない。むしろ、ある。 そのドレスを剥ぎ取って彼女の素肌に見てみたいと思ったことがあれば、触れて見たいと思ったことさえもある。 ドレスを脱ぎ、生まれたままの姿の彼女を妄想しては夜のオカズにしていた。その翌朝は彼女の顔を見る度に、悪いと思いつつもやめられないのだった。 (アニスがあのモンスターと出会ったら、どういう反応をするんだろうか。いや、むしろ、彼女があのモンスターの触手に…って、私は何を考えているんだ!本人が居る目の前でこんなことを考えるなんて…だめだだめだ) ようやく正気に戻ったカルダモンは先程まで頭の中に浮かんでいた妄想をかき消そうと、ぶんぶんと頭を振る。 その様子を見て、アニスもヴァニラも全く理解出来ないでいた。が、出来なくてよかったかもしれない。 さっきまで彼が一体何を考えていたかを彼女達が知ったら「ヘンタイ!」とか「サイテー!」とか、そんな罵声が飛んでくることは間違い無い。 むしろ、それで済めばマシな方である。大して人数の多くないギルド内でそんなことが知れたら、このギルドには居られなくなるのは目に見えている。 「カルダモンちゃん、何考えてるのだ?」 「え!?いや、別に、何も…いやあ、説明しようにも言葉にし難くて、困ってるんです…」 ヴァニラに突然声をかけられて、カルダモンはかなり慌ててしまった。 まだ幼さの残るヴァニラのような相手に先程まで自分がしていた妄想なんて口が裂けても言えるわけが無い。 苦しい言い訳をするが、これもあながち嘘ではない。モンスターの動きを思い出すと、どうしても変な方向にいってしまう。 「ちなみに、ヴァニラはナインテールを知っているのだ」 「え、そうなんですか?」 「ヴァニラは調教をマスターしているのだ。調教のことなら任せろ、なのだ」 「それなら、わざわざ私が説明なんてしなくても…」 「ヴァニラの知っているナインテールと、カルダモンちゃんが見てきたナインテールが必ずしも同じものとは限らないのだ。確かめることも兼ねているのだ」 「まあ、確かめることも重要ですしね」 「そういうわけなのだ。そのためには協力が必要なのだ。アニスちゃん」 今まで黙って椅子に座っていたアニスにヴァニラは声をかける。ヴァニラからアニスに近寄り、二人はなにやらこそこそと話している。 一人蚊帳の外のカルダモンは特に気に留めることも無く、二人が話しているのを眺めているのだった。 「ほらほら、アニスちゃん、恥ずかしがってないで、さっさとするのだ」 「い、嫌よ!絶対嫌!」 「むー…そんな聞かん坊なアニスちゃんは…こうしてやるのだ!」 「きゃ…い、いやああああ」 先程までこそこそしていた二人が急に揉め出して、ヴァニラがアニスに襲い掛かったと思うと、アニスの着ているドレスをいとも簡単に剥いでいった。 アニスは抵抗する間もなく、衣服を剥ぎ取られてしまった。 カルダモンは呆気にとられ、その間の様子をただただ眺めていた。よく解らないが、女性の裸をタダで見られるなんてそうそうあるものではない。 すっかり衣服を剥ぎ取られたアニスは生まれたままの姿に…と思いきや、そういうわけでもないらしい。 どうやら縄で縛られているようだ。なんだかマニアックな縛り方である。実際見たのは初めてだが、こういう縛り方がある、ということは知識として知っていた。 アニスは床に座り込んで、先程以上に顔を赤くし、瞳に涙を浮かべて、大事なところを見られないように手で隠そうとしている。そんな様子のアニスとは反対にヴァニラは満足げな表情を浮かべている。 「あの…なんで、その、アニスを脱がせる必要があるのですか?」 アニスの方を見ないように、カルダモンは思ったことをそのまま質問する。 「その方がわかりやすいのだ。それとも、カルダモンちゃんは着衣の方が好きなのだ?大人しそうな顔に似合わず、結構マニアックなのだ」 「そりゃ、脱いでる方が…じゃなくて!わかりやすい、とかわかりにくい、とか一体何なのですか?」 「何って…ナインテールなのだ」 「え、これがですか?」 思わずアニスの方に向き直り、指で示す。そのときアニスと目が合ってしまい、思わず顔を背けた。 「これからやるのだ。アニスちゃんもそうだけど、カルダモンちゃんにも協力願いたいのだ」 「なななな、何をですか?」 「何って、ナニなのだ」 カルダモンの返事も聞かずに、ヴァニラはさっさと行動に移る。床に座り込んでいるアニスを立たせて、両の手を後ろに回し、胸を強調するような体勢にする。 アニスの胸はやや小振りではあるが、形は綺麗である。今の彼女には普段の威勢の良さは微塵も感じられない。 「い、いや。やめて…ヴァニラ」 「もーアニスちゃんは素直じゃないのだ。ほらほら、口ではそんなこと言っても、カラダは正直なのだ」 ヴァニラがぐいと腰辺りの縄を引っ張ると、アニスは嬌声を上げる。秘部を目の粗い縄で刺激されて、思わず声を出してしまったが、 その様子を他人に見られていることを思い出して、恥辱のあまりただでさえ赤い顔をもっと赤くして、耐えられなくなって泣き崩れてしまいそうになる。 「アニスちゃん、まだまだこれからなのだ。泣いても、続けるのだ。ほら、こっちこっち」 ヴァニラはそんな様子のアニスをお構い無しに、ギルドハウス内の寝室に連れて行き、押し倒すようにベッドの一つに寝かせる。 「じゃあ、始めるのだ」 そう言うとヴァニラは目にも留まらぬ早業で、アニスを更に縛り上げていく。気がついたときには身動き取れない状態になっていた。 ベッドに寝かされているアニスは抵抗出来ないように両腕は縛られ、頭の上で固定されている。 よく見ると乳頭は細い紐で結ばれており、紐は縛られた両腕に繋がっている。 股は大きく広げられて、秘部が丸見えである。更に股を閉じることが出来ないように、一本の棒を両足の膝の裏に通して、縛り付けている。 肛門から何やら輪っかがはみ出ているのが確認できる…まあ、引っ張ったりするのだろう。 そして口には声を上げることが出来ぬように猿轡をつけられている。 「どうなのだ。これがナインテールなのだ」 「全然違います!…そもそも数が足りないじゃないですか」 「ちゃんと見てるなんて、カルダモンちゃんはムッツリスケベなのだ」 「勝手な言いがかりは止して下さい!」 「この状態ではで八までなのだ、九はカルダモンちゃんに任せるのだ」 「どうして、そこで私が出てくるんですか!?」 「ヴァニラにはアレはついてないのだ」 アレって…アレか。男にはあって、女には無いもの。丁度一つ空いているところが確認できるし、頭の中に思い浮かんだもので間違いは無さそうである。 「じゃあ、アニスちゃん、目隠しも着けるのだ。こうした方がもっと興奮するのだ」 アニスは抗議しようとうーうー唸ってはいるものの、ヴァニラは聞く耳を待たず、布でアニスの目元を覆う。 「アニスちゃんはもうこんなに濡らしてるのだ。ほら、カルダモンちゃん。ちゃっちゃといいのにしてあげるのだ」 「だから、どうして私が!?」 「…もしかして、カルダモンちゃんはわかってないのだ?」 「何にですか?」 「はあ、カルダモンちゃんは酷い男なのだ。アニスちゃんがこんなに思っているのに気がつかないなんて…朴念仁なのだ」 「ちっとも話が見えてこないのですが」 「アニスちゃんの熱い視線に気がついてないなんて、カルダモンちゃんはニブ過ぎなのだ。アニスちゃんはかなりわかりやすいのだ。 なかなか素直になれないアニスちゃんをヴァニラが後押してるのだ」 「どう考えても、褒められてないですよね…というか、もっと他の違う方法は無いのですか?」 「ヴァニラがアニスちゃんを調教して、素直な子にするのだ。もう八割方、調教は完了しているのだ」 「…残りの二割は?」 「それはカルダモンちゃんがやらないと意味が無いのだ!」 「け、結構です!断固として拒否します!」 「ふーん…カルダモンちゃんはこんな状態のアニスちゃんを放って、逃げちゃうのだ?…というか、その状態で外に出るのはまずいんじゃないのだ?」 ヴァニラにそう言われて、ハッとして自分の下半身を見てみると、ムスコが起き上がっていた。 ぎゃあ、と悲鳴を上げて、思わず両手で覆って隠す。マントがあるので、それを使って身を隠そうとする。 男としてこんな状態を見せ付けられては、反応してしまうのは仕方が無い!と叫んで反論したいが、そんなことを言える余裕など彼には残っていない。 女性にこんな状態を見られたのは初めてだが、なんという恥ずかしさか。このまま穴でもあれば入りたい気分である。 この状態のままではいられない、なんとか落ち着けなければならない。だが、この状況で落ち着くわけがない。 手っ取り早く何とかするには、ヌくのが一番だが、すぐ近くに人が居るのにそんなことできるはずもない。 なんだか、泣きたくなってきた。とか、考えていると、マントをぐいぐいと引っ張られて、向き直るとヴァニラが何やらにやついて、何か言いたそうな顔をしている。 「…貴女は最初から、こうするつもりだったのですか?」 「もちろんなのだ。ヴァニラは用意周到なのだ。ほらほら、アニスちゃんも待ちきれないのだ。さっさとおっぱじめるのだ」 そう言って、マントを引っ張り、引き摺るようにしてカルダモンをアニスが縛り付けられているベッドの前に連れて行く。 「好きなようにやっちゃって、なのだ」 「好きなように、と言われましても…」 「じゃあ、辛そうだな、と思うところを外していけばいいのだ」 そうアドバイスを貰い、アニスの状態を眺めていると、どこもかしこも辛そう、と言えば辛そうである。 (この乳首に結んでいるのは痛そうだな…って) 自然と動き出した腕を止めて、自分が何をしようとしていたのか思い返し、ぶんぶんと頭を振って、今まで考えていたことを消し去ろうとする。 「もーじれったいのだ!」 いつまで経っても何もしないカルダモンに痺れを切らして、ヴァニラがカルダモンを勢いよく押すと、そのまま倒れ込む。アニスの上に。 倒れ込んだときに、なにやら色々と触ったようで、色んな声が混じって上がる。 動くに動くことが出来ない、というか起き上がって退かないようにヴァニラが押さえつけている。 顔をアニスの胸に埋める形になっているが、これは不可抗力だと自分に言い聞かせる。 「胸でも、腰でも、好きなところを好きなだけ触っちゃえばいいのだ。悪戯し放題なのだ」 「押さえつけられていては、したくても出来ないじゃないですか!」 「お、やっとやる気になったのだ?」 「え、いや、そういうわけでは…」 「男に二言は無いのだ。さあ、どこからでもやっちゃうのだ」 押さえつけていたヴァニラが退き、起き上がったカルダモンは、ふうと一息つく。とはいったものの、一息ついてのんびり出来るような状況ではない。 体勢もアニスに跨った状態である。傍から見れば、襲っているようにも見えなくは無い。 (どうしてこんなことに…) とは思うものの、見てしまう。目を離そうと思っても、離せない。このまま逃げることも出来ないなら、もうどうにでもなれ、と腹を括ったカルダモンはメガネのずれを直すと、ようやく動き出す。 先程まで顔を埋めていた胸にそっと触れると、びくりとアニスの身体が震えた。乳頭に結ばれている紐を解こうと、乳頭を摘むと、声が漏れた。 擦るなり、引っ掻くなりするが、なかなか紐は解けない。その度にアニスの口からは甘い声が漏れる。そんな声を聞く度に余計に興奮してしまう。先程から下半身の方に気が行ってしまう。 ようやく、片方の乳頭に結んでいた紐を外して、もう片方に手を移すが、こちらにも悪戦苦闘して、同じことをくり返す。その間にズボンの下のアレがもうすっかり硬くなっていた。 「次はどこをやるのだ?」 「…まだしないといけないのですか?」 「当たり前なのだ!最後までちゃんとやるのだ!」 はあ、とため息をついて、再びアニスの身体をまじまじと見る。外すのが簡単そうな顔の拘束具からやればいいかもしれないが「最後まで」と言われた限り、 先に目隠しを外して自分がどんな顔でやっているのなんて見られたくない。 次は脚を固定している器具を外していく。今回は先程よりも簡単そうである。棒を抜き取り、脚をベッドに縛り付けている縄を外して、終わり。 脚が自由になり、今まで開かれていた股をゆっくりと閉じる。勿体無いことしたな、と頭の片隅で思ったが、すぐに忘れた。 脚に続いて、両腕を縛っている縄を外し、手も自由にした。 さて、これからどうしよう。と考えていたカルダモンのマントをヴァニラは後ろから引っ張って、アニスの寝ているベッドの横のベッドに引き倒した。 「な、何するんですか!?」 「アニスちゃんばっかり気持ちよくなってるのは、不公平なのだ。カルダモンちゃんもソレ、きついと思うのだ。だから、すっきりするのがいいのだ」 そう言うとヴァニラはカルダモンの腕を後ろに回して、縛り上げると、眼鏡を外した。これではぼんやりとしか見えない。何も見えないわけではないが、相当目が悪いので輪郭がぼやけて、この辺に居るな、ということぐらいしかわからない。 「眼鏡、返して下さいよ」 「カルダモンちゃんはアニスちゃんの目隠しを外さなかったのだ。それと同じことなのだ。それに眼鏡が無い方が見え難くて、興奮するのだ」 「ほら、アニスちゃん。これとこれは外してあげるのだ」 そう言ってヴァニラはカルダモンが外さなかった目隠しと猿轡を外した。はあはあ、と荒い息でアニスは呼吸している。 「カルダモンちゃんのも苦しそうだから、気持ちよくしてあげるといいのだ。やり方は教えたのだ」 「…う、うん」 アニスは小さな声で返事をすると、今まで寝転んでいたベッドから起き上がり、隣のベッドに座っているカルダモンの足下にしゃがみ込んだ。 視線がふらふらと泳いで視点が定まらない。潤んだ目でぼんやりと眺めている。 「ほーら、アニスちゃんっ」 「きゃあっ」 ぼーっとしていたところで突然、胸を鷲掴みにされて、思わず声を上げる。ヴァニラは手を止めず、そのまま好きなようにアニスの胸を揉み始める。 ヴァニラは慣れた手つきで揉みしだき、両方の乳頭を摘み、指で擦ったり、転がしたりして刺激する。アニスは我慢しようとしても、しきれず思わず声が出てしまう。 完全に蚊帳の外状態であり、眼鏡も無いカルダモンは状況をよく理解できない生殺し状態だが、とりあえず音だけ聞いて愉しんでいる。 「もー、アニスちゃん、自分ばっかり気持ちよくなっちゃだめってさっき言ったばかりなのに、全然聞いてないのだ。それに涎までたらして、だらしないのだ」 「た、たらしてないわよ。ヴァニラがするからでしょ…」 「人の所為にしちゃだめなのだ。アニスちゃんも早く欲しいのだ?なら、ちゃんと自分でやることやらないといけないのだ」 「ふぁ、んん」 後ろから秘裂に指を挿入され、ぐちゅぐちゅと音を立てて掻き回され、堪らなくなって甘い声を上げる。そんな様子を見て、ヴァニラは加虐心が煽られるのか、くすくす、と愉しそうに笑う。 「アニスちゃんのここ、さっきからずーっと濡れっぱなしなのだ…それに後ろの方もべしょべしょなのだ。ちょっと失礼するのだ」 そう言って、アニスの腰を持ち上げて獣のように四つ這いにさせる。はあはあと荒い息で呼吸するアニスは次の快感を待つ。が、いつまで経ってもヴァニラは何もしてこない。 「…ヴァニラ?」 「どうしたの?」 「えっと、その…」 「どうしたのだ?ちゃんと言わないとわかんないのだ」 「ううう…」 「あのー私は何時までこうしていればいいのですか?」 二人が楽しんでいる間ずっと放って置かれて、やることも無い、というか動くに動けないカルダモンは空気をぶち壊すと解っていても尋ねる。 「アニスちゃんがやらないと意味が無いから、あと少しの辛抱なのだ!ほら、アニスちゃん、カルダモンちゃんもいい加減にしてくれって言ってるのだ」 「いや、別にそうとは…」 「アニスちゃんは今、何が欲しいのだ?」 「……ん…」 「もっと大きい声で言わなきゃ、わかんないのだ」 「…お、おちんちんほしいのぉっ!」 「だそうなのだ、カルダモンちゃん」 「…そう言われましても、こっちは身動き出来ませんよ」 そんな事言われても困る、という返事を素っ気無く返すカルダモン。 今後の展開をどのように考えても、自分が中心に来ることは無いだろう、と予測がつくので、もうどうにでもしてくれ、と考え始めている。 「このままじゃあ、きつそうだから、一度ちゃんと気持ちよくしてあげるといいのだ」 そう言うとヴァニラはカルダモンのズボンに手をかけた。がちゃがちゃと音を立ててベルトを外し、ズボンのジッパーを下げる。 いきなりそのようなことをされては慌ててしまう。女性にこんなことをされたのは始めてであるし、余計に驚く。 「ちょ、ちょ、ちょっと、何してるんですか、いきなり!」 「ズボン下ろしてるのだ」 「それくらい分かりますよ!何で下ろすんですか!?」 「アニスちゃん恥ずかしがって、何にもしないから代わりにヴァニラがやってあげてるのだ。ほら、ズボンは下ろしたから、あとはアニスちゃんがやるのだ」 下半身がまだ裸ではないにしても、両腕は後ろで縛られて、眼鏡も外された状態で、為す術も無く、されるがままにされて、 屈辱的とまではいかないが、恥ずかしいことには変わりない。とか考えていると、下着の上から柔らかい手でこわごわと触れられるのを感じた。 眼鏡が無い為、ぼやけてしか見えないが、紫色の髪が目に映るので今、自分に触れているのがアニスだと判る。 下着を下ろさずに、その隙間から外に出す。今までの窮屈なところから、ようやく外気に触れる広いところまで出てきて、 一息つく反面、決して嫌ってはいない、否、むしろ好ましく思っている女性にこんなことをしてもらっているのかと思うと、余計に興奮してきて治まるものも治まらない。 それどころか余計に硬くなってきているのが、自分でもわかる。 (男の人のって…こんなのなんだ…) (カルダモンちゃんって、ひ弱そうな割には結構…) (なんか、一点に集中して視線を感じる…) などと各々は好き勝手に別々のことを考えている。 (出したのはいいけど…やり方も教えてもらったけど…) アニスは男根を持ったまま固まってしまった。初めて見るものを、物珍しそうにまじまじと見ながら。 性器を握られて、じーっと見られているカルダモンは堪ったものではないが、何も出来ない。 「ほ、ほら、アニスちゃん。早くするのだ」 「だって…初めて見るものだから…ヴァニラはこういうの詳しいでしょ!?」 「ヴァニラだって、本物をこんな近くでみるのは初めてなのだ!」 二人はうーん、と悩んでいたが、ヴァニラはハッとしてカルダモンに向き直った。 「カルダモンちゃんは、いつもどんな風にやってるのだ?」 「そんなこと言えませんよ!」 「…じゃあ、どうすればいいのだ?」 「…好きにしてください」 それが一番困るのだ、とヴァニラに文句を言われたが、変な注文は言いたくない。しばらく考えていると、逆にしてほしくないことは言っておこうと思い付いた。 「ええと…強く握ったり、噛んだり、引っ張ったりはしないで下さい…仮にも急所なので」 「う、うん。わかったわ…」 アニスは小さな声で返事をすると、おずおずと性器に顔を近づける。息がかかるくらいまで近づけ、舌先でちろりと舐め上げる。ぺろぺろと犬が手でも舐めるようにして、何度も舐める。 「そんなちまちまやってないで、がばーっとやるのだ!ほら、ちゃっちゃと咥えるのだ!」 「く、咥えるって…」 「こうやって咥えるのだ!」 「うむぅっ!?」 「うぁっ」 ヴァニラはアニスの頭をぐいと押し込んで、無理矢理に性器を咥えさせる。いきなり入って来た口内の異物に驚くアニス。 突然性器を包み込んだ温かさと柔らかい感触に思わず声を出してしまうカルダモン。 「咥えたら、舐めたり、転がしたり、吸ったり…とにかく色々やるのだ!」 「ん、んむぅ」 彼を気持ち良くしようと、懸命に口の中で奉仕するアニスの口からは唾液が零れてくる。肌は上気して赤く染まり、目は潤んでとろんとしている。 性器を咥えて興奮しているのか、秘部からは愛液が絶えず漏れ出している。 普段の彼女からは想像出来ないような淫らな姿を晒しているが、アニスはもう吹っ切れたのか、そんなことは気にも留めずに夢中になって男根にむしゃぶりついている。 カルダモンはというと、好ましく思っている女性が自分のナニにナニしてくれていると思うと、悪い気はしないが、 眼鏡が無いのでその姿はよく見えないし、自分は動けないしで、少しばかり残念だと思ってしまう。 (アニスちゃんもやる気になったみたいだし、いい感じなのだ。…でも、ちょっとヴァニラが暇なのだ…そうだ…) 悪戯を思いついたヴァニラは無邪気な笑みを浮かべて、アニスの背後にしゃがみ込む。 当のアニスは、男根に夢中でそこまで気が回らず、全く気付いていない。ヴァニラは直腸に挿入しているアナルビーズを引っ張る。 「ひゃああぅっ…ヴァニラ、なに、し…んんっ」 「ふふふ…後ろの方がちょっと寂しそうだったから、ヴァニラがお手伝いしてあげるのだ。ほらほら、アニスちゃん、まだ途中なのだ。続けるのだ」 アナルビーズを出したり入れたりをくり返して、絶えず刺激を与え続けている。膝ががくがくと震えて、立つこともままならない状態である。 秘部からは先程以上に愛液がぽたぽたと零れ落ち、床に水溜りを作っている。 「アニスちゃん、お口の方がお留守なのだ。そんなんじゃだめなのだ。早く続きをするのだ」 「ふぁっ…だってぇ、んひぃっ…ヴァニラが…それっ、っふ、あ、だめぇ…やぁっ、ひゃうン…で、できな、いからぁ…んああっ」 口の端から涎を垂らし、目には涙を溜め、潤んだ目でやめてと懇願するが、ヴァニラが与えている快感に溺れており、その言葉が本心かどうかは疑うところである。 口は離したものの、男根はまだ手に握ったままであり、あれもこれも欲しい、と欲深さと淫らさを同時に晒している。 「…アニス、その…まだですか?」 「ほらー、アニスちゃんがいつまでたってもやらないから、カルダモンちゃんも怒っちゃったのだ」 「いやだから、そういうわけでは…」 「あぅ…ご、ごめんなさい…んむぅ…はぁ…ふぁうっ…」 彼に嫌われたくないと思い、懸命に性器を舐めて快感を与えようとする。 慣れない事で拙いながらも、一生懸命に奉仕するアニスの思いが伝わってくるようで、快感と興奮で段々とカルダモンの息も荒くなってくる。 アナルビーズの挿入の繰り返しで腸壁に刺激される快感を受けて、口の方を止めそうになるが、自分の与える快感でカルダモンの漏らす声を聞いて、 少し嬉しくなり、もっと気持ちよくなって欲しいと思って、より一層奉仕するのに身が入っていく。 「っふ、あ、アニス…も、もぅ…」 そろそろ限界が近いカルダモンは我ながら情けない声を出しているなと思いつつも、そんな声しか出せないので仕方が無い、とアニスに声をかける。 アニスも彼の言いたい事を理解したようで、更に奉仕する手に力を込める。 「っく、ああっ」 「んむぅっ…ん…」 アニスの口の中で達して、そのまま彼女の口内に精液を流し込む。彼女は突然入ってきたものに驚きの声を上げるが、吐き出さずにそのまま奥へと喉をごくんと鳴らして飲み込む。 そうしてからようやく性器から口を離すと、唾液がつう、と橋をかける。が、すぐにぷつんと切れた。 「…不味」 顔をしかめて、それだけ言った。 「アニスちゃん、ちゃんと出来たから御褒美に抜いてあげるのだ」 「ひゃうううっ」 根元まで挿入されていたアナルビーズを勢いよく引き抜くと、嬌声と一緒に秘部からは潮が噴出した。アニスは腰が抜けて、床にぺたりと座り込んだ。 うっすらと汗をかき、額に髪が張り付き、肌は上気してほんのり赤く染まっている。股から下は秘部から漏れた愛液で濡れている。 床に座り込んだままぽーっとしているアニスの後ろにヴァニラはしゃがみ込んで、彼女の結っている髪を解くと、編み込まれていたため紫の長い髪は緩やかにウェーブしている。 「いつもの髪形もいいけど、こっちも可愛いのだ。カルダモンちゃんも縄を解いてあげるのだ。っと、はい、眼鏡なのだ」 「どうも…っ…」 眼鏡を返してもらい、やっとはっきり見えるようになって、目に飛び込んできたのは、普段とは違うアニスの姿。 格好が裸だとか、縛られているとか、そういうこともあるが、それ以上に、ただ髪型がいつもと違うだけでこんなにも印象が変わるものなのかと衝撃を受けた。 普段の結い上げた髪型も彼女に似合っているが、目の前の髪を下ろした姿も綺麗だと率直に思った。呆けたようにじっと見つめていた。 「何…?」 「その…あまりにも綺麗なので…」 「…ばか」 カルダモンの言葉を聞いて、そう言うアニスだが、決して悪い気はしていない。 「ほのぼのした雰囲気もいいけど、やることはちゃっちゃとやるのだ!」 赤くなったまま黙って見詰め合う二人の雰囲気をぶち壊すヴァニラの声が割り込んできた。 「…しようにも、貴女にそこに居られると、やり難いのですが…」 「ヴァニラは二人がちゃんとやり遂げるまで、出て行くわけにはいかないのだ!ヴァニラは居ないこととして考えてもらって結構なのだ。 ささ、はやくするのだ。カルダモンちゃんはそのマントはとっとと外すのだ。それから、脱ぎかけのズボンも鬱陶しいから脱ぐのだ」 「…はい」 脱がしたのは貴女だ、と言ってやりたいが、もう面倒になってきたので言われるままに、マントを外し、ズボンにも手をかけてそのまま脱ごうとしたが、手を止めて逆に穿き直す。 「なんで穿き直すのだ!?」 「別に脱がなくても、出すものは出せます。それにズボンを脱ごうと思ったら、ブーツも脱がなければならないので、そっちの方が面倒です」 「っち…カルダモンちゃんの貧相な体格を見てやろうと思ったのに…」 「聞こえてますよ。…っと」 悔しがるヴァニラを尻目に、床に座り込んだままのアニスに近付き、抱きかかえてベッドの上に寝かせる。お互いに目を合わすのが気恥ずかしく、そっぽを向く。 「キスして」 「…目を瞑って下さい」 言われるがままに瞳を閉じたアニスにそっと口付ける。触れるだけだったのが気に食わなかったのか、頭の後ろに腕を回されて離れられなくなってしまった。 が、抱き返してそのまま更に深く口付ける。口内で互いの舌を絡めて、わざと音を立てる。 ゆっくりと口を離すと、アニスは酔った様にぽーっとして、しな垂れかかってきた。 「…して?」 返事をする代わりにベッドにゆっくりと押し倒し、再び口付ける。上体を起こし、アニスの足を開かせると、恥ずかしそうな顔をする。 秘裂に指を入れて掻き混ぜる様に動かすと、彼女は上擦った声を上げる。膣壁を指で撫でたり、引っ掻いたり、指を抜き差ししたり、と動かすとその度に甘い声を漏らす。 しばらくそうしていたが、アニスはもう我慢できなくなってしまった。 「んんっ…もぅ、ちょうだいっ…」 潤んだ目と上目遣いのコンボにやられて何も言えないまま、ただこくこくと頷いて返事をする。 広げた足を持ち上げて、腰を浮かせる。秘裂に男根を押し当てて、アニスの顔を見ると、物欲しげな表情をして、待ちわびている。 「いれますよ…」 こくん、と頷いて返事をすると、秘裂に当てられていた男根が押し入ってきた。 初めての感覚と今まで感じたことの無い痛みに戸惑うが、ずっと欲しかったものをようやく手に入れてと、様々な感情が混ざり合って、何を考えていいのかわからなくなってしまう。 縋る様に手を伸ばすと、カルダモンはその手を取り、ぐいと引っ張るとアニスの体を抱き留めた。背中に腕を回し、痛みに耐えるように強く抱きしめる。狭い膣壁を押し広げるようにゆっくりと挿入していく。 根元まで挿入し、これ以上奥まで行かなくなったところで彼女の体を持ち上げて腰を浮かせると、手を放す。と、重力に従って降りてきて、更に膣の奥へと導く。アニスは堪らず嬌声を上げる。 アニスはうっすらと目を開いて己の破瓜を奪った、否、差し上げた男を見る。 朴念仁で、引き篭もりで、ひ弱で、寝癖のまま出かけようとするだらしない男。 でも、お人よしで、放っておけなくて、博識で、優しくて、愛しい男。 じっと見つめていると、その視線気がついたのか彼女に向き直り、優しくキスをした。 「動きますよ」 「うん…」 返事をするや否や、男根を引き抜いたと思うと、勢いよく打ち付けた。途端大きく声が上がるが、そんなことで動きを止めはしない。 飢えた獣が貪るように何度も何度も攻め立てる。狭い膣内を行ったり来たり、膣壁に男根を擦り付け、ごりごりと押し当てて、絶えず快感を与え続ける。 と、アニスが大きく震え、仰け反る反応を見せた。ようやく彼女の弱点を探し当てた、と気をよくして口の端を少し上げる。 彼女の限界が近いように、自分の限界も近い。ラストスパートをかけるように、今まで以上に強く打ち込む。 「っああああ、っふぁああっ」 アニスが遂に達して、今までで一番大きな声を上げるのと同時に、男根を咥え込んだ膣はきゅうっと締め付ける。 それに堪らず、達しそうになって苦しげな声を出すカルダモンだが、このまま膣内に出すわけにもいかないと、彼女を引き剥がそうとするが、 彼女は余計に抱きしめる腕に力を込めて、剥がそうにも剥がせない。 「ちょ、アニス…っく」 「やぁっ…はなさ、ないでぇっ」 もうどうにでもなれ、と愛しい女性の体を強く強く抱きしめて、彼女の最奥に射精した。どくどくと脈を打つと共に彼女の中に精液を吐き出していく。 シャツが張り付くくらい汗をかき、はあはあと荒い呼吸のまま、秘裂から男根をゆるゆると引き抜くと、接合部からこぽりと自分が吐き出した精液が零れ出た。 それを見て、カルダモンはさーっと血の気が引くのを自分でも感じた。恋人というわけでもない女性の処女を奪い、更に避妊する事も無く、そのまま膣内で射精してしまった。後先を考えずに欲望に身を任せた自分の行動を深く後悔し、己自身を呪った。 とにかくまずは落ち着こう、と腕に抱いたままのアニスをベッドに横たわらせた。体は未だ興奮冷めやらず火照っているのに、頭だけは妙に冷めている。 変な感覚のまま、部屋を見渡すと、自分たちをじーっと見ているヴァニラの存在に気がついた、もとい思い出した。正直言うと、途中から居ることを完全に忘れていた。 よくよく考えてみれば、この少女こそが今日の出来事の元凶であるというのに。 「二人とも、お疲れ様なのだ」 「ど、どうも…」 「アニスちゃん、大丈夫なのだ?まだやることは残ってるのだ」 「ふぇ…?」 「まだ言ってないことがあるのだ」 「あ…」 ヴァニラに言われて何か思い出したのか、かあっと顔を赤く染めた。ふらふらしながらも体を起き上げて、ベッドにぺたりと座り込むと、カルダモンと向かい合う形になる。 何か言いたげにもじもじしている。そんな様子の彼女がとても愛しくて、すぐさま抱きしめてやりたいところだが、先程のことで頭が一杯でそんな余裕は無い。 「か、カルダモン…その、順番が逆になるんだけど…」 「アニス!私はとんでもない事をしてしまいました!!」 もじもじと自分で自分の指を擦り合わせているアニスの手を両手でがしっと握って、カルダモンは落ち着いた普段の様子からは想像つかない剣幕で話しかけるので、アニスは戸惑いを隠せないでいる。 「ど、どうしたの?」 「私達、その…生でセックスしましたよね?」 「…せっ…え、ええ…」 普段使わない単語に抵抗を覚えながら、アニスは返事をする。どこか悲壮感の漂うカルダモンの表情を見ても、何が言いたいのかさっぱりわからない。 もしかして、自分とも性交がそんなにも苦痛だったのだろうか、と彼女まで不安になってきてしまう。 そんな二人を眺めながら、完璧にギャラリーと化しているヴァニラはじれったいと思うばかりである。 「そのまま…中に出しましたし…本当にすいませんっ!」 「え…えええ!?ちょ、ちょっとよくわかんないんだけど…」 「だから、避妊もせずにそのまま…ああもう、簡単に言えば、子供ができるかもしれないってことですよ!」 「…カルダモンちゃん、それははっきり言い過ぎなのだ。もうちょっと別の言い方を選ぶのだ」 「う…でも、そういうことです!」 嘘は言ってませんよ!とカルダモンが言うのを耳に入れながら、アニスはぽーっとしていた。 性交がどういう行為か理解しているが、ここまではっきり言われたのは初めてだ。まだなんとなく熱い下腹部に手を当てる。 「ちょっと…アニス、聞いてるんですか?」 「うん。…ねえ、カルダモン」 「なんですか?」 「私、あなたが好き。カルダモンは私のこと好き?」 先程までのもじもじしていた彼女は消え失せて、いつものようにはきはきしたアニスに戻っていた。 曇りの無い真っ直ぐな目で見つめられてそんなことを言われるものだから、どぎまぎしてしまう。 「ねえ、好き?」 「は、はい。…私も、好き…です」 「本当?」 「本当です!好きですよ」 「本当に?」 「本当ですよ!」 「…じゃあ、責任とってくれる?」 「…とります。そのつもりです。貴女が私以外の誰かのものになるなんて、考えたくもありませんから」 そう言ってから、恥ずかしそうにふい、と顔を背けるカルダモンにがばっと抱きつくと、不意打ちだった為か、 受け止めることも出来ないまま体勢を崩してごろんと転がり、そのまま二人ともベッドからずり落ちてしまった。 「いたたたた…」 「んもう、何してんのよ…」 「アニスがいきなり抱きつくからです…退いて下さいよ。…重いんですから」 「なっ…誰が、何ですってぇ!?」 その日、非常に小気味良い音がギルドハウスの中だけでなく、カザンの町中に響き渡ったことを記しておく。 ○月×日 今日はアニスちゃんとカルダモンちゃんをくっつけたのだ。良い事をした後はとっても気分が良いのだ。 二人とも奥手だから、なかなか進展しなさそうだけど、時々ちょっかいをかけて、一気に進展させる予定なのだ。 今度、ユーカリちゃんに×××な薬でも作ってもらうのだ。食事にでも混ぜて、その後は… ふふふ…しばらくは退屈しなさそうなのだ。 ~ヴァニラの日記より おしまい
https://w.atwiki.jp/n4908bv/pages/2610.html
補足説明 蛾の形状の大きな翼を持つ、オレンジ色のドラゴン。 魔力の大きさはあの金紅竜や蒼玉竜に匹敵するかもしれない。 誘導弾の様に曲線を描くように光の束を撃ちしたり、酸のブレスを広範囲に霧吹きのように放っってくる。 関連種 スカラブドラゴン 初出 452話 識別結果(452,505,626,663,773話) 琥珀竜 モスドラゴン ??? ??? ??? ??? ??? ??? 琥珀竜 モスドラゴン Lv.35 イベントモンスター 魔物 睡眠中 戦闘位置:地上、空中、水中 ??? 琥珀竜 モスドラゴン ??? ??? ??? ??? ??? ??? 琥珀竜 モスドラゴン ??? ??? ??? ??? ??? ??? 琥珀竜 モスドラゴン ??? ??? ??? ??? ??? ???
https://w.atwiki.jp/7d2020-2/pages/77.html
消費アイテム モンスタードロップ キーアイテムキーアイテム(クエスト用) 消費アイテム 名称 価格 説明 備考 メディスI 15 味方単体のLIFEを40回復 落:ゴールドラビDX・EX・20XX落:ラビ落:ダークラビ落:ダークオオツノシカ落:スライム落:ナイトホーク落:ウタガエル メディスII 60 味方単体のLIFEを80回復 落:アオラビ落:デグタスタン落:マッカザル落:デスシザース落:ブンブク落:スミロドン メディスIII 300 味方単体のLIFEを120回復 落:ギガントシザー落:トワイライトウィング落:フロッグル メディスIV 500 味方単体のLIFEを160回復 ミルロメディス - 味方単体のLIFEを完全回復 落:デッドシュヴァルツ ヒールエアロI 30 味方全体のLIFEを20回復 落:エアーグラス落:ワイルドボアー ヒールエアロII 120 味方全体のLIFEを40回復 落:カクランジカ ヒールエアロIII 600 味方全体のLIFEを60回復 落:マーダーベア ヒールエアロⅣ 1000 味方全体のLIFEを80回復 ヒールエアロⅤ 10000 味方全体のLIFEを100回復 フィクスエアロ - 味方全体のLIFEを完全回復 落:キルホーンドラグ落:キルホーンドラグν落:ドラグメガマウスν 手作り弁当 - 味方全体のLIFEを70回復 マイルームで仲間に作ってもらう 特上弁当 - 味方全体のLIFEを140回復 マイルームで仲間に作ってもらう(レア) ろぉぱぁうどん - 味方全体のLIFEを完全回復 落:ノースクラウン マナ水 30 味方単体のMANAを15回復 落:スコルピオン落:レイス 白銀水 400 味方単体のMANAを50回復 落:ファントム 竜蒼水 1000 味方単体のMANAを100回復 幕の内弁当 - 味方全体のMANAを30回復 個数限定品 からあげ弁当 - 5ターンの間、味方単体の攻撃力をアップさせる 個数限定品 ひのまる弁当 - 5ターンの間、味方単体の防御力をアップさせる 個数限定品 特大唐揚げ弁当 - 3ターンの間、味方単体の攻撃力をかなりアップさせる 個数限定品 特上ひのまる弁当 - 4ターンの間、味方全体の防御力をかなりアップさせる 個数限定品 失敗弁当 - 味方単体のLIFEを1回復 マイルームで仲間に作ってもらう(失敗) ナビカップケーキ - 5ターンの間、味方全体の攻撃・防御アップ …お手製のようだ 個数限定品 ナノケアー 20 味方単体の戦闘不能を回復し、LIFEを1回復 ナノエイド 75 味方単体の戦闘不能を回復し、LIFEを30回復 ナノファイン 250 味方単体の戦闘不能を回復し、LIFEを50回復 ナノホープ 1000 味方単体の戦闘不能を回復し、LIFEを80回復 ナノミラクル 3000 味方単体の戦闘不能を回復し、LIFEを120回復 ヒュプノ結晶 - 味方単体の戦闘不能を回復し、LIFEを150回復 個数限定品 チョコバー - 味方全体の戦闘不能を完全回復 外はしっとり中はさっくり 個数限定品 パラエルZ 10 味方単体の麻痺を回復しつつ、LIFEも20回復 パラエルオール - 味方全体のマヒを回復 個数限定品 ブラネルZ 15 味方単体の盲目を回復しつつ、LIFEも20回復 ブラネルオール - 味方全体の盲目を回復 個数限定品 ポワゾル 10 味方単体の毒を回復 ポワゾルオール - 味方全体の毒を回復 個数限定品 オゾナール 20 味方単体の火傷、凍傷、出血を回復 オゾナールオール - 味方全体の火傷、凍傷、出血を回復 個数限定品 ストナル 50 味方単体の石化を回復 ソルマネル 100 味方単体の全ての状態異常を回復 ポップ☆キャンディ 5000 味方全体の混乱、錯乱を回復 お口でハジけて、頭が冴える♪ 購入:大食堂一度に1個ずつしか所持できない 食材セット - 味方単体のLIFEを10回復 落:アオラビ落:カエル系落:ギガントシザー落:リクアンコウ落:ワイルドボアー落:ターコイズファン落:トワイライトウィング落:カクランジカ落:クリムゾンファン ドラゴン幼体 - 味方単体のエグゾーストゲージを全回復する 個数限定品 スモークグレネード 100 バトルから逃走する 特定のバトルからは逃げられない 迷彩ツール 30 一定歩数の間、敵のエンカウント率が下がる 光学迷彩ツール 100 一定歩数の間、敵とエンカウントしなくなる 脱出キット 10 TOKYOマップに瞬時に移動する SPアップ100 - 味方単体のSPを100増やす 個数限定品 SPアップ200 - 味方単体のSPを200増やす 個数限定品 SPアップ300 - 味方単体のSPを300増やす 個数限定品 SPアップ500 - 味方単体のSPを500増やす 個数限定品 SPアップEX - 味方単体のSPを1000増やす 個数限定品 モンスタードロップ 名称 売値 説明 備考 質のいい燃料 10 【入浴用】大浴場の湯を沸かす為の燃料 落:フロワロシード系落:マグマスライム落:スコルピオン落:デクタスタン落:ファントム落:カザンガメ 質のよすぎる燃料 50 【入浴用】大浴場の湯を沸かす為の燃料、ボイラーの改良が必要 落:フロワロシード系(レア)落:デクマグネル(レア)落:デクヴォルテス(レア) 輝く中腸腺 500 【クエスト用】何かに使えるかも…余ったら換金しよう 落:サンキャンサー 最高級の鋼財 300 【クエスト用】何かに使えるかも…余ったら換金しよう 落:カザンガメ 特上霜降り鋼肉 1000 【クエスト用】何かに使えるかも…余ったら換金しよう 落:サイヤード 分厚い鉄板 500 【奥義習得用】何かに使えるかも…余ったら換金しよう 落:デクマグネル 鋭利な刃 600 【奥義習得用】何かに使えるかも…余ったら換金しよう 落:デッドシュヴァルツ(レア) 蝶の羽 5 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ブルーグラス(期間限定) 赤兎の牙 10 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:赤ラビ まんまる種 15 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ブロッサム 石竜のウロコ 15 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:サラマンドラ落:猛りサラマンドラ落:サラマンドラν 暖かな毛皮 30 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ムジナ 力竜の角 35 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:スモウドラグ 地竜のつらら 40 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:グラナロドン 透明な羽 50 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:マンダラファン 痺れる粘液 50 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ローパー 宵闇の芳香 75 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:レイス 高価な木材 80 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ミドリガメ 槌竜の頭骨 100 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ドラゴハンマード 幼竜の小爪 100 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:リトルドラグ落:リトルドラグν あったかゼリー 150 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:マグマスライム 球竜の葉 150 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ケミカルドラグ 虫竜の複眼 150 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ドラゴライアーン落:ドラゴライアーンν 機械竜のネジ 150 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:マシーナルドラグ 上等な熊肉 150 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:レイジーベアー 幻覚の極彩羽 150 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ターコイズファン 塔竜の肢骨 170 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:タワードラグ落:タワードラグν 岩竜の硬皮 200 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:アルマノス 虫竜の羽 200 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:フライドラゴニカ エネルギー結晶体 200 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ホワイトゼリー 鰭竜の背びれ 220 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:エンシェンタス 鰭竜の尖角 230 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ドラゴフォルバル落:ドラゴフォルバルν 石竜のエラ 250 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ドラゴストナータ落:ドラゴストナータν 暴竜の尻尾 250 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ティラノザウラス 憂いの花粉 250 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ラフレッシア 大口竜の球電袋 300 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ドラグメガアース しましまの尻尾 350 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ブンブク 薄氷の花弁 400 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:フリージアン 遊飛竜の硬羽 500 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ホバードラグ落:ホバードラグν 壊竜の白仮面 500 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:デストロイドラグ 鉄のギガマウス 600 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:デスジャッカル 球竜の煙突 700 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:マテリアルドラグ落:マテリアルドラグν 白銀の毛皮 800 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:マーダーベア 槌竜の鉄球 900 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ドラゴハンマオー落:ドラゴハンマオーν 氷の猪牙 900 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:スノーズボアー 鋼鉄の爪 950 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:シャドウグラス 飛竜の爪 1000 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:サンダードラゴン 紅の硬羽 1100 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:クリムゾンファン 地竜の氷柱 1500 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:コルナロドン 幼竜の心臓 1500 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ミクロドラグ 塔竜の曲角 2400 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:カノンドラグ落:カノンドラグν 岩竜の翠石 3000 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ウォールスナッチ落:ロックスナッチ落:ブラッドスナッチ落:ブラッドウォックν 飛竜の大翼 3000 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:フリーズドラゴン 壊竜の鎖 3000 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:クリミナルドラグ落:クリミナルドラグν 遊飛竜の虹羽 3000 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ドラゴプリズマ 盾竜の壊盾 3500 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:シールドドラグ 唇竜の肝 4500 【換金専用】ファクトリーで売るとAzに換金できる 落:ドラグメガリップ キーアイテム + ※ネタバレ注意 名称 説明 備考 ナノコート キリノが作った耐酸性のコーティング剤 チャプター2入手後、酸によるフィールドダメージを受けなくなる 竜殺剣 オリハルコンから作られた殺竜兵器 チャプターX ティアマット検体 帝竜ティアマットから採取したサンプル チャプター1のボスを撃破 オケアヌス検体 帝竜オケアヌスから採取したサンプル チャプター2のボスを撃破 スリーピーホロウ検体 帝竜スリーピーホロウから採取したサンプル チャプター3のボスを撃破 トリニトロ検体 帝竜トリニトロから採取したサンプル チャプター4のボスを撃破 ジゴワットの心臓 帝竜ジゴワットから採取した中枢 チャプター5のボスを撃破 ジャバウォックの心臓 帝竜ジャバウォックから採取した中枢 チャプター6のボスを撃破 インソムニアの心臓 帝竜インソムニアから採取した中枢 チャプター7のボスを撃破 怪しい鍵 【クエスト用】チェロンから受け取った怪しげな鍵 クエスト:怪しい鍵を拾いました… 絵本・にんぎょひめ 【クエスト用】悲しいにんぎょの本 クエスト:絵本を読んで! 剣豪のひらめき サムライの秘奥義をひらめいた証 「イズミの手紙」入手後、LV65以上のサムライ一人でムラクモ居住区のイズミに話しかける→イズミとの戦闘に勝つと入手 暗躍者のひらめき トリックスターの秘奥義をひらめいた証 「特典フォトブック」と同時に入手 剛力のひらめき デストロイヤーの秘奥義をひらめいた証 「巨大パイルバンカー」と同時に入手 秘術師のひらめき サイキッカーの秘奥義をひらめいた証 「奇跡の像」と同時に入手 オタクのひらめき ハッカーの秘奥義をひらめいた証 スキル開発案LV4採択後かつチャプター7以降、マサキに話しかけて「ハッカー」を選択→LV65以上のハッカーを連れて研究区のPCを調べ、クイズに正解する→クイズの答え(ドラッグで反転):一問目・Rj-45、二問目・2821109907456、三問目・セブンスヘヴン カリスマのひらめき アイドルの秘奥義をひらめいた証 「キラキラなミラー」入手後、LV65以上のアイドル一人で居住区Aのモモに話しかける→フライドラゴニカSとの戦闘に勝つと入手 キリノのアドレス キリノからの信頼の証 誘ってみちゃう? クエスト:素材を探しています! をクリア後、マイルームにある差し入れを調べる マリナのアドレス マリナからの信頼の証 誘ってみちゃう? クエスト:絵本を読んで! をクリア後、マイルームにある差し入れを調べる 3.6のアドレス 3.6からの信頼の証 誘ってみちゃう? クエスト:非番のムラクモへ をクリア後、マイルームにある差し入れを調べる 3.7のアドレス 3.7からの信頼の証 誘ってみちゃう? クエスト:非番のムラクモへ をクリア後、マイルームにある差し入れを調べる イズミのアドレス イズミからの信頼の証 誘ってみちゃう? クエスト:ムラクモ13班へ をクリア後、マイルームにある差し入れを調べる リンのアドレス リンからの信頼の証 誘ってみちゃう? クエスト:気持ちの整理を… をクリア後、マイルームにある差し入れを調べる ミヤのアドレス ミヤからの信頼の証 誘ってみちゃう? クエスト:広報活動にご協力ください! をクリア後、マイルームにある差し入れを調べる シズカのアドレス シズカからの信頼の証 誘ってみちゃう? 全てのムラクモ会議を採択した後、マイルームにある差し入れを調べる ネコのアドレス ネコからの信頼の証 誘ってみちゃう? クエスト:決着をつけよう! をクリア後、マイルームにある差し入れを調べる ダイゴのアドレス ダイゴからの信頼の証 誘ってみちゃう? クエスト:決着をつけよう! をクリア後、マイルームにある差し入れを調べる チェロンのアドレス チェロンからの信頼の証 誘ってみちゃう? 全てのクエストをクリアした後、マイルームにある差し入れを調べる ケイマのアドレス ケイマからの信頼の証 誘ってみちゃう? ムラクモ会議:武装拡張案LV9 を採択後、マイルームにある差し入れを調べる レイミのアドレス レイミからの信頼の証 誘ってみちゃう? ムラクモ会議:武装拡張案LV9 を採択後、マイルームにある差し入れを調べる ワジのアドレス ワジからの信頼の証 誘ってみちゃう? ムラクモ会議:武装拡張案LV9 を採択後、マイルームにある差し入れを調べる イズミの手紙 『サムライ一人であたしの部屋に来い――イズミ』 スキル開発案LV4採択後かつチャプター7以降、マサキに話しかけて「サムライ」を選択→ムラクモ本部を出るとイベントが発生し、入手 特典フォトブック 古今東西の様々な処刑法をフルカラーで収録! スキル開発案LV4採択後かつチャプター7以降、マサキに話しかけて「トリックスター」を選択→LV65以上のトリックスターを連れて議員宿舎、自衛隊駐屯区、居住区Cにある本を調べる 奇跡の像 フリーマーケットで買った、うさんくさい像… スキル開発案LV4採択後かつチャプター7以降、マサキに話しかけて「サイキッカー」を選択→LV65以上のサイキッカーを連れて居住区Aのシスターに話しかけ、5000Az支払う 巨大パイルバンカー 重くて、デカくて、扱いづらいキリノ監修のパイルバンカー スキル開発案LV4採択後かつチャプター7以降、マサキに話しかけて「デストロイヤー」を選択→分厚い鉄板×2と鋭利な刃×2を所持し、かつLV65以上のデストロイヤーを連れてキリノに話しかける キラキラなミラー ピカピカに磨かれた鏡 スキル開発案LV4採択後かつチャプター7以降、マサキに話しかけて「アイドル」を選択→LV65以上のアイドル一人で居住区Aのモモに話しかける テイル型噴水機 幻視狂羽を撃破した戦利品 庭のお手入れにどうぞ 幻視狂羽を撃破 夢喰いの枕 幻視夢喰を撃破した戦利品 寝苦しい夜の友 幻視夢喰を撃破 メカニトロ 幻視銀竜を撃破した戦利品 一家に一台はほしい 幻視銀竜を撃破 エコワット 幻視轟雷を撃破した戦利品 消費電力80%を実現 幻視轟雷を撃破 ジャバ・ロック 幻視重剛を撃破した戦利品 激しい振動で目覚めスッキリ 幻視重剛を撃破 八足脚立 幻視闇淵を撃破した戦利品 八段階に伸びる脚立 幻視闇淵を撃破 虹色クォーツ 幻視晶竜を撃破した戦利品 角度を変えると虹色に光る 幻視晶竜を撃破 1/8ニアラ 幻視竜王を撃破した戦利品 精巧なディティール 金箔使用 幻視竜王を撃破 ステイツの腕章 ショウジの遺した腕章 戦士の誇りを胸に ショウジを撃破 人類戦士の槍 人類戦士タケハヤの遺した槍 今日から君も人類戦士だ! 人類戦士タケハヤを撃破(※15個まで入手可能) キーアイテム(クエスト用) これらのアイテムはクエスト終了時にアイテム欄から消える。 名称 説明 備考 医療物資 【クエスト用】ネコに依頼された医療物資 CHAP0急病の仲間に物資を! 特殊LANケーブル 【クエスト用】耐水性、耐衝撃性を高めたLANケーブル CHAP0復興準備を手伝ってくれ! 衣料品セット 【クエスト用】XSからXXLまで揃った衣類 ウニクロ製 クエスト:物資が不足しています… おそなえのオニギリ 【クエスト用】感謝をこめて握られたオニギリ クエスト:命の恩人を探してください! おそなえセット 【クエスト用】花冠、タバコチョコ、ウィスキーボンボン クエスト:命の恩人に渡してください! 備蓄食料 【クエスト用】東京都庁で見つけた食料 クエスト:備蓄食料を回収してくれ! 発電機 【クエスト用】地下道に放置されていた発電機 クエスト:発電機を探してください! 超ヤバいコンポ 【クエスト用】超ヤバい感じのコンポ クエスト:ロックなチューンを求む! マジすごいCD 【クエスト用】マジすごい感じのCD クエスト:ロックなチューンを求む! 機動班の取材記録 【クエスト用】機動班のトホホな取材記録 クエスト:広報活動にご協力ください! ミヤのインタビュー 【クエスト用】ミヤの個人情報満載の資料 クエスト:広報活動にご協力ください! ナビの写真 【クエスト用】笑顔のナビが写っている クエスト:広報活動にご協力ください! ???のサングラス 【クエスト用】 クエスト:ムラクモ13班へ
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/93.html
カリユほどの名うてのウェイトレスともなれば、遺跡探索もお手のものだ。 古代のエビフライの化石を求め、かりゆは探索を嘗めた露出度の高いウェイトレス服で遠方の遺跡に来ていた。 暗いところに入るとEX発動して発光する習性を持つハルカラにゃんを先行させている。 EXでパッシブスキルと化したミートイーターで、魔物は出会う傍から漫画肉に変化して食われるので楽々だ。 鬼の形相なんていらなかったのだ。なむなむ。 脇を固めるはお料理桃姫さんと手乗りモルモルさん。 やはりこのウェイトレス、根本的に探索を嘗めている。 超親友のイクラクンは連れてきていない。 カリユとて毎回オチを持っていかれるのは本意ではないのだ。 その時、ハルカラにゃんが触れた祭壇の台座がズズズとせり上がった。 その上にはやや大きめのイクラクンが座っていた。 置いてかれたイクラクンは恨みがましげにカリユを見つめる。 「イクラクンを笑うものはイクラクンに泣く。蓋し名言だよね」 させるものか。 かりゆは油揚げが食べたくなる周波数のルシェ耳ぴこぴこ通信を送った。 油揚げが食べたくなったイクラクンは「大変大変」と慌てて豆腐屋さんにぽてぽて走っていった。 何とかオチるのは回避した。 かりゆはハンカチと間違えてモルモルさんで額の汗を拭うと、探索を再開した。 転がる大岩、落とし穴の先の竹槍、幻覚ガス。 これらの障害を四人はかりゅっと乗り越えた。 何故こんなもんが遺跡にあるのだろうか。実はトラップハウスの遺跡なのだろうか。 カリユはぺっこりしたお腹を撫でながら遺跡の過去に思いを馳せる。 モルモルさんはガスが全身に回り、カリユのルシェ耳がお布団だと思い込んで髪の上ですやすやと寝ている。 モルモルさんの寝息が至近距離最大音量で聞こえることに鳥肌を立てつつ、カリユはお弁当の天むすを頬張る。 宿の裏庭の樹からもいだばかりの新鮮な天むすはとても美味しかった。 お昼時となれば活躍するのは桃姫さんだ。 枯れ果てた遺跡の壁材や謎の植物など現地の材料だけで味噌汁を仕立てて皆に振る舞った。 食通のハルカラにゃんもかりゆも舌鼓を打つ美味しさだ。 味噌は何で代用したのかと問えば「企業秘密です」と答え、 桃姫さんは飲まないのかと問えば「いいえ、私は遠慮しておきます」と答える。 しょおー。 すっかりゆ満腹になった一行はふにふにと遺跡の深層を目指す。 ゲーム的に言えば最深部に目的のものはあるはずなのだ。 「あ、そこに何かあります!」 正気に戻ったモルモルさんがちゅうちゅうと耳を引っ張るので見てみれば、壁の窪みに小さな宝箱があった。 俄然やる気を出した一行はシュパーッと宝箱を取り出した。 鍵がかかっていたが、桃姫さんが偶然高度なピッキング技術を持っていたためニコニコと開けてくれた。 ぱかりと宝箱が開く。中からは何か小さくてふかふかした、 「イクラクンデース」 やらせん。 カリユは間髪いれずエクスポータを貼り付けてタカラクンを外に転送した。 丸っこい姿が一瞬でかき消える。 危ない危ない。 危うくオチるところだった。 「ニク……」 肩で息をするかりゆをハルカラにゃんがぎゅっと抱き締めた。 最深部に着いたぞ。 だがそこには不自然な突き当たりがあるばかりで化石らしきものは見つからない。 「ここまでの道のりから考えると隠し扉ですね」 桃姫さんがおっとりと言う。 「わわわ私もそう思ってたよ!」 ふて寝するべく枕を取り出していた可愛いかりゆも慌てて同意する。 周囲をよく見れば一ヶ所だけ色の違う壁がある。 触ってみると動かせるようだ。 恐らくスイッチか何かがあるのだろう。 しかし、とカリユは考える。 イクラクンがオチを狙うとしたら恐らくここが山場だろう。 何が起きても何もなかったかのように冷静に対処する必要がある。 「……よし」 カリユはきりっと真剣な表情になると、壁をスライドさせた。 露出した窪みにはイクラクンABCDEが横にみっちりと5人並んでいた。 かりゆは表情一つ変えず、目にも止まらぬ手捌きでイクラクンをBDAECと並べかえる! 行き止まりの隠し扉が開く! 壁を即閉める! 壁の奥からふかふかと呪詛が聞こえる! 無視! 進! ! カリユとて毎回オチを持っていかれるのは本意ではないのだ。 かりゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/29.html
以下人名対照一覧 コレル:骨の髄まで奴隷根性の日和見青年。 バレッタ:ネバン的ルシェ魂至上主義の精神。 ハンコツ:偉い奴は大嫌い。 マンザラ:今の暮らしはそこそこ満足。黒目の離れた鳥類ではない。 ニコレット:優しい先輩のお姉さん。 ……さて、話の続きを書く前にここらで一つ注意書きを挟んでおこう。 この世界には六つの国家と、そして民族、種族、出身によって違う様々な考えがある。 もしもこのノートを僕以外の人が見ているとするなら、それはどんな事情か知らないが 一つだけ知っておいてほしいことがある。 僕は卑屈で小心なアイゼン・ルシェだ。 他の国に行ったことはおろかこの間まで都からも出た事の無かった世間知らずで、 アイゼンの価値観ばかりに気を取られて無意識に他国の価値観を否定するし、言い訳もたくさん書く。 だから決して僕の書いたことに共感はすれ、僕の書いたことを鵜呑みにしないで欲しい。 そんなこと分かってる、自意識過剰だって? 僕もそう思うけど、でも一応書いておきたい。 ……だって、これを呼んでいるのはもしかしたら僕の子供かもしれないじゃないか。 もし世の中のことを正しく知りたいと思うのなら、 このノートだけでなくいろいろな国の、いろいろな人の書いたものを読むことだ。 自分にとっての真実、他人にとっての真実、世界にとっての真実、 これらを別々に捉えられるようになってこそ物事を見る目というのは培われるらしい。 色々と書いたが結局のところ、このノートには僕の自分勝手な思いの軌跡が綴られている。 そして僕は後からこれを読み返しては我が身を反省したりするのだ。 ……もっとも、出来れば僕としてはこのノートには別の役割を期待したくないことも無い。 異邦人同士の交流には、立場や思想が違うからこそ新たな発見や相互理解の喜びがある。 いろいろな国の人たちが来るここに来て、このノートにはそんな交流の記録をつけていけたなら それはかなり素晴らしいことなんじゃないだろうか。 ……嬉しいことに、それは遠くない未来に実現できそうだったりする。 いつものように前置きを書いたところで話の続きに戻ろう。 無自覚に彼女――バレッタさんを思い切り傷つけそのショックのあまり反射的に繰り出された 半月蹴りにノックアウトされた僕だが……さて、謝りにいくといっても彼女はどこだろう? 宿の中は夕食やら宴会やらの準備で忙しいが、なんとなく人がたくさんいる場所に彼女はいない気がする。 となると喧騒から離れた人の通りかからない場所…… 勝手口、鯉の池、食材置き場。 そんな場所を捜し歩き、やがて僕は、廊下の灯りに淡く照らされた庭で農具倉庫の裏に彼女の姿を発見した。 「……」 暗がりにしゃがみこんだ彼女の耳は気の毒なほどしおれきり、 欝なオーラをまとって沈黙するその姿はとてもじゃないが声を掛けづらくてしょうがない。 まるで親とはぐれて隙間に隠れたまま震えている子猫のようだ。 ……きっとそれはあながち間違いな表現ではないだろう、 誰も信用できる人がおらずに異国に放り出された彼女の心情は、その例えに近いだろうから。 意を決して僕は彼女に歩み寄った。 「っ」 足音に気付いて彼女が顔を上げる。 僕の顔を見て、やってきたのが僕だと知ってその顔に色々な感情が浮かんだ。 疑念、警戒、そして敵意。 まるで外敵に対して針を逆立てたハリネズミのようだ。 そんな彼女を前に僕はどうしたかというと、 ……思わず手をあげていた。 ホールドアップ的な意味で。 「「………」」 沈黙。 見つめあう僕と彼女。 「……」 「……」 「……なにやってんのよ……」 うん、自分でもよく分からない。 警戒はどこへやら、彼女がよこしたのは呆れ気味な視線だった。 きっとこれは結果オーライだ。 とりあえず警戒を解くことには成功したのだから。 手を下ろし、言葉を探す。なんと言うべきだろう? 「えと……その」 「……」 「……ごめん」 だあああ僕の馬鹿!! 目一杯口ごもってようやく出てきたのが『ごめん』とはなんだ! 口下手にも程があるというかイラつかせるだけというかそもそも何に謝っているのかさえ分からないじゃないか! 「……何に対して謝ってるのよ」 「ほら言われた!」 「???」 「あ、いやこっちの話」 いかん、目一杯怪訝な顔で首をひねられてしまった。 落ち着け、それまずは深呼吸。 すー。はー。 落ち着いて、僕はもう一度彼女を見つめなおした。 「あのっ」 「っ、何よ?」 「あの……酷い事言ってごめん」 「……」 「あんなこと言うつもりじゃなかったんだ、ほんとは、あの、その、」 「……いいわよ」 「あ、うん」 「……」 「……え?」 「いいわよって言ったでしょ」 「いや、それはそうなんだけどさ」 そんなにさくっと許されてしまうと、かえって不安になったりする。 どうしていいのか分からず、僕は当たり障りのない質問を繰り返していた。 「その、許してくれるの?」 「別に……許すも許さないもあんたは本当にそう思ってるんでしょ。 あんたがそういう考えなのなら、それは私がどうこう言えた義理じゃなかったんだし。 ……ただ、自信が無いのかなって、そう思っただけだったのよ」 「ごめん」 「だから何に謝ってるのよ」 「えと、心遣いを無にしたことに対して。あと、なんか泣いてたって言うから……」 「!!」 「あ」 「……っ……!」 口を滑らせた、と思ったときにはもう遅く、彼女は声にならないうめきを上げながらガシガシと頭をかいた。 普通泣いてたなんて、人に知られたくないことなんだから当たり前だ。 「どこで、誰、見られて、……っ、他に誰が知ってんの」 「えと……僕の他に最低四人……」 申し訳なさそうに告げると彼女はますます頭を抱え込んだ。 「そいつらに言っといて……次に私が会うまでにその記憶消しとけって」 「無理だと思うよ……」 「……」 黙り込んでしまう。 こちらも申し訳ない気分だった。元々は僕が原因なのだ。 人を傷つけるようなことを、言うまいと思っていたのに。 「……とにかく、そういうわけだから謝らせて。ほんとにごめん。あんなこと言うべきじゃなかった」 改めて謝罪すると、彼女はゆっくりと顔を上げた。 どこと無く気疲れした顔だが、険は取れていた。 「うん……ま、気にしなくていいわよ。 ルシェにあんなこと言われるの初めてだったから……ちょっとびっくりしただけだから」 「……」 言葉とは裏腹な、沈みがちで疲れた口調だった。 何も言えず僕は黙り込む。 そんな僕に、彼女はもう一つ思い出したように問いかけた。 「……ね、ほんとなの」 「え?」 「アイゼンのルシェにも、ネバンのルシェは嫌われてるの」 「……」 僕は迷った。 ここでそうだと答えるべきだろうか。 でも、あれは嘘だよと言うのも違うと、僕は思った。 慎重に言葉を選びながら答える。 「少し、そういうこともあるよ。ちょっと言ったけど、アイゼンに住んでるルシェの殆どは、 ルシェであることを誇りに思っていてもネバンプレスの死を恐れない考え方とかは理解できない。 でもネバンプレスの人はそれこそがルシェの本質だって言うから……じゃあ自分達はなんなんだ、ってなる人もいる。 ……ネバンプレスに憧れてる人もいるんだよ?ルシェには住みやすいとこらしいし」 「いいわよ、下手なフォローしなくて。それにネバンでは形だけルシェでもダメよ、心が無きゃ。 そうね……こっちで暮らすあんた達に押し付けたのが間違いだったかしら。ガキ臭いこと言って悪かったわ」 「そんなこと」 「でも」 「?」 「あたしはネバンの皆をルシェと呼ぶわよ。あんた達が東の民を人間と呼ぶように」 「それは……うん」 「いいの?」 「呼び方なんて些細なことだよ。アイゼンではいまだにキツネうどんかタヌキうどんか、そんなことで争ってるんだよ」 「は……よくわかんないけど」 「前読んだ本に、自らの真を捨て世の真に媚びるは勇無きなり、されど世の真を捨て自らの真に逃げるは智無きなり、って。 自分の信念を貫くことと同じくらい人の信念を理解してあげるのは大事だよ、って意味だったはず」 「……そうね。それでいいわ」 「じゃ、仲直りってことでいい?」 「なによ、まだそんな事気にしてたの?」 「だって」 「いいわよって言ったんだからそれでいいのに、これだから……」 「アイゼンの国民性だもの」 「む……この話の流れだと反論しにくいわね」 「はは」 「まったく……あ」 場の空気が和んだところで気の抜ける音が鳴った。 彼女のお腹が空腹を訴える音だった。 「こんなときに鳴らなくたっていいじゃない……」 「あ……えと、その…… ジェン爺が、ウチで働かないし金も払わない奴に飯なんてやる必要はないとか言ってて……」 「……分かってるわよ、いいから心配し」 「だから、これしか」 「……へ?」 「あの……僕の分、半分なんだけど……これしかないんだ」 「ちょっと待って。 えーと、つまり、これを私にくれるって言いたいわけ?」 「そうだけど」 僕の差し出したパンを前に、彼女はしばし逡巡した。 「……くれるって言うなら遠慮はしないわよ? あ、あとアイゼンの物を貰うときの作法なんて知らないし」 「気にしなくていいよそんな事、さ食べて食べて」 「えーと、じゃ、貰うわ……ありがと」 「どういたしまして」 少し冷えてしまった玄米パンをとり、彼女はもそもそと食べ始める。 「雑穀の粉を蒸かしてあるのね……」 「ごめん、白米とか上等なものはあんまり出なくて……」 「ネバンじゃアイゼン風に炊いた米なんてまず食べないわよ。こういうののほうが馴染み深いわ」 「あ、そっか」 そう言うとあとは彼女は何もしゃべらず、ただ食べる音だけが薄闇に聞こえる。 気だるげな表情でパンを食む様子を見ながら、僕はふと思ったことを聞いてみた。 「それで、バレッタさんはこれからどうするつもり?」 「ん?そうね……ここにはルシェの、ネバンの仲間は来ないの?」 「来るかもしれないけど、少なくとも僕は見たこと無いよ」 「でしょーね……でも、仲間にお金を借りる以外にここから出て行く方法なんて……」 「やっぱり帰るんだ」 「そりゃね。こんな所に長く……ごめん取り消すわ。 でもやっぱりここじゃ私は一人だもの。信頼できる仲間がいないとこでなんて…… 別にあんた達が信頼できないって言ってるわけじゃないわよ」 「分かってるよ」 ……なんだか複雑な気分だった。 彼女の言いたいことは分かる。異国の地で友達もなしに留まるなんて普通は耐えられない。 とはいえここにネバンプレスの人が来るなんてそうないだろうし、 なによりそうなったら彼女がここからいなくなってしまうわけで…… ……なんだかなあ。 「ま、でも」 「?」 「居てくれたおかげで少し気が楽になったわ。その……ありがとう」 「どういたしまして」 お礼を言われるほど何か出来たとは思わない。 けれど、慣れない様子でありがとうと言う彼女に僕はせめて誠意を持ってどういたしましてと返した。 翌日。 相も変わらずせっせと仕事に精を出す僕はハンコツさんに声を掛けられる。 「で、どうだったんだ?」 「バレッタさんのことですか」 「おう。遅いからまたノされてるんじゃないかと昨日は心配してたんだけどよ」 「仲直りは出来た……と思います。いろいろお互いの話をして、それで遅くなっちゃって」 「ふぅん。ま、それならいいけどよ」 「そうですね……と、あれ」 ふと上体を起こした先に見える木立。 朝の空気の中、その木陰でこちらを窺う彼女の姿がそこにあった。 軽く手を上げると向こうも近付いてくる。 「……おはよう。どうしたのそんなとこで、っていうか昨日はどこで寝たの?」 「どこでも何も……その辺でうつらうつらしながら夜を明かしたわよ。寒かったわ」 「そりゃそうだ。火山が近くにあるとはいえ温暖な気候じゃないからな」 「風邪ひいたりしてない?」 「そんなに柔じゃないわ……」 そう言いながらも寒さでよく眠れなかったらしく、 彼女はふあぁふ、とあくびを一つして目をしばしばさせている。 「お気の毒様というか……ところで、ヒマなら手伝ってくれるかな? 何もしないでブラブラしてるのは社会一般的にいやな目で見られるよ」 「好きでブラブラしてるわけじゃないわよ……大体なんだって私があんたの手伝いをするのよ?」 「それはまあ、昨日分けたご飯とこれから分ける朝ご飯のお礼ってことで」 「え、普通そこは無償の思いやりでしょ!?いや、別にいいけど!」 「じゃあこれ、落ち葉を集めてくれる」 「うぅ……」 彼女が唸りながらも床を掃き始める。 視線に気付いて振り向くと、ハンコツさんが意外そうな目で見ていた。 「お前ちゃっかりしてんな……なんてーか意外だわ」 「そうですかね」 「だってよ、お前のイメージといえばなんて言うかクソジジイにヘコへコしてばかり……」 「まあそうですけどね」 どうもここにきて最初の頃の言動のせいで、僕にはある種のイメージが付きまとっているようだ。 少しイメージ修正を図ったほうがいいかと思えば、ハンコツさんの口から出たのは案の定だった。 「でもねハンコツさん、よく考えてください。 僕って泣きついてここにおいてもらったクチだから、ジェン爺に対してすっごく立場弱いですよね?」 「おう。……それにしちゃお前あんまりいびられてねーよな」 「それはですね。……言うことを聞かない犬と従順な犬がいたら従順な犬を可愛がりたくなると思いません?」 「お」 「厄介者かと思っていたけどよく働くし素直だし、 そんな犬ならたまにご飯を余計におねだりしてきてもむしろ可愛い……とか」 「お前またこれが……意外と打算的な奴だったんだな……! ……ちょっと待て、言うことを聞かない犬ってのは」 「ああ。……え、口に出したほうがいいですか?」 「だー!マジか、俺はお前を対比効果でよく見せるためのスケープゴートかよ!?」 「嫌だったら仕事してください」 「くうぅー」 「……根っからの奴隷根性ですけど、それでもご主人に意見を通したいときってのはあるじゃないですか。 そういうとき説得できるかどうかは普段の働きぶりかなと、そういう打算も少しはあるんです」 「あー、そうかいそうかい。畜生どうせ俺はお前みたいに頭のつかえない脳筋野郎ですよ」 「やさぐれないでくださいよ……」 「ちょっとー、手伝うのはいいけど私一人に任せとかれちゃさすがに釣り合わないわよー?!」 いけない、彼女の事を忘れていた。 それでなくてもおしゃべりに夢中で手が動いていないなんてのは失態だ。 僕は急いで仕事に戻った。 「何話してたの?」 「こいつが腰が低いように見えて意外としたたかだって話だよ」 「あー……なんとなく分かるわ」 分かられても困るが。 「まあでも、三代続いて使用人の、生粋の従属家系だからね。そういう思考も受け継がれてるって言うか」 「「……」」 「あれ?」 「ねえ、アイゼンではたった三代でも生粋とか由緒正しいとか言うの?」 「いやあ、さすがに三代じゃ言わないだろ」 「よね。大体三代より前には何してたのよ?」 「ん、奴隷稼業」 「「……」」 「僕のおじいちゃんが子供の頃くらいに奴隷制が禁止されたでしょ? で、それまで職業奴隷だったうちの一家はそのまま使用人にクラスチェンジしたんだよ。 まあ奴隷と使用人なんて名前の違いだけで、掃除洗濯炊事に雑用、大してやることも変わらないから 特に大きな意味は無いんだけどね」 「……ちなみに、奴隷になったのはいつ頃から?」 「さあ。少なくともおじいちゃんのおじいちゃんの時代にはすでに元旦那様の家付きの奴隷だったとか」 「道理でDNAに刻み込まれてるわけだよ……」 「いやあ、それなりに幸せな環境に生まれたからだと思いますよ? 奴隷制が廃止されたのは諸外国への外聞のほかに奴隷をそれこそ物としてしか扱わない異常者が いたせいらしいですけど、僕のところはずっと伝統的な主従関係だったみたいですし」 「育ちがいいと性格もいいってか?けっ!どうせ俺は、どうせ俺は……」 「だからやさぐれないでくださいって」 「意外と気にしてんのね」 どうにも立ち直らせるのは骨が折れそうだったので、とりあえず朝食をもらって来る。 その半分を昨夜のように分け合っていると、今度はマンザラさんがやって来た。 「おう、お疲れさん。 ……なんだ、譲ちゃんとはずいぶん仲良くなったもんだな」 「はは」 「ま、こいつもヘタレだけど悪い奴じゃないしね」 「へえ、……ほんとに仲良くなったんだな。人の温かさは身にしみるか」 「……っ、ふん」 「??」 マンザラさんのニュアンスとそれに対する彼女の反応がよく分からなくて 首を傾げるが、二人ともそれには気付かずマンザラさんが次の話題を口にした。 「それはそうと気をつけろよ。今ここにちょっと厄介なお客が来てるからな」 「厄介なお客?」 思わず僕は顔を上げた。少なくともマンザラさんは穏便派で、 国籍や少しのわがままくらいでお客さんを敬遠したりする人ではない。 そのマンザラさんが厄介というからには営業妨害レベルの迷惑行為を想定しなければいけないからだ。 「それがなんと言うか、詐欺の常習犯でな。裏の情報を嗅ぎ付けにたまに来るんだ」 「……!詐欺?」 その一言で彼女の耳がピン、と立った。 「詐欺とは言ったんだが、三流で場合によってはそのまま居直って恐喝まがいの行為に及ぶ 性質の悪い男でな……ここでは目立った騒ぎを起こしてないから出入り禁止にも出来ないし、 とにかく遠巻きにしてあんまり近寄るんじゃないぞ」 「分かりました」 「……ねぇ、そいつどこにいる?」 「休憩所に、っておいこら」 「私の荷物盗っていった奴かもしれないでしょ!確かめてくる!」 止める暇もあればこそ。 彼女はあっという間にすっ飛んでいってしまった。 「やれやれ……俺の言ってたこと聞いてなかったのか?」 「聞いてなかったんでしょうね……」 「昨日盗みをして逃げた奴が今日ここにいるわけ無いと思うんだがなぁ」 「たぶんそうでしょうね……」 ため息を一つ。 「なあ、コレル。万が一でもなきゃあの娘は当分帰れないと思うんだが、どうすればいいと思う?」 「そうですね……やっぱり、ここに住み込んで働くように説得するしかないと思います」 「だよなー。でも、どうもご主人とは話がこじれてるようだし今更うまくいくかな?」 「ジェン爺にもなんとかお願いして置いてくれるように頼んでみます。 ……普段真面目に働いて信用を得ているのは、こういうときのためでもありますし」 「そうかー……ま、その方がお前にとっても嬉しいしな?」 「な!」 「ハンコツから聞いたぞ、あの娘が気に入ったんだって?」 話が伝わるのが早い…… 情けない顔を向ければ、帰ってきたのは悪意のカケラもない弟の成長を見る兄のような表情だった。 やれやれ、しかしまあ、確かにそうだ。 彼女がここにとどまってくれるならそれは僕にとって嬉しいことだ……だけど。 「でも、帰りたいんだよなぁ……」 「んん?」 「そりゃ、ここにいてくれれば僕は嬉しいですけど。でもそれだと彼女は 家族や友達のところに帰れなくて悲しい思いをするんですよね…… そう思うと、喜べなくて、ネバンプレスに返してあげたいと思うんです」 「はー……お前、いい奴だな」 「そうですか」 「お前なら辛いときに優しくしてくれたんじゃなくてもお前のこと認めてくれるって」 「そう……ですか」 よく、分からない。 仲直りはしたけど、僕は彼女に認められたんだろうか? 僕は彼女に『ルシェを名乗って欲しくない』と言われた。 勇猛でも、誇り高くも無いからだ。 だけど彼女はさっき、僕の事を『ヘタレだけど悪い奴じゃない』と言ってくれた。 それはもしかして、彼女が僕を新しい価値観で理解しようとしてくれたのかもしれない。 ネバンプレスの考え方だけじゃなく、僕の訴えに応えて。 ……もしそうだったらと思うと少し、いや、とても嬉しかった。 ―――――――――――――――――――― 十数分後。 僕は客室の掃除をするために宿の中へと入っていく。 そして休憩所へさしかかったそのとき、それは起こった。 「あ」 視界の端に一瞬だけ彼女が映った。 それに気付いて視界を戻したとき彼女は休憩所の席に座る一人の男の肩に手をかけ―― ――次の瞬間、男がナイフを抜いた。 「!?」 いきなり横払いに飛んできたナイフにのけぞる彼女。 突然の凶行に、その目が驚きで見開かれる。 そして、一瞬の間を置いて。 休憩所にいたほかの誰かが悲鳴を上げた。 「なんだ」 「どうした!?」 その場所に居た人々が振り返り、近くにいた人々が顔を出す。 そして彼らが状況を理解していくにつれて、あっというまに休憩所は緊迫した空気に包まれていった。 「な……な……?」 「ち、畜生……!」 男は怯えているように見えた。 威嚇するようにナイフを握り締め、せわしなく周囲に気を配っては事が大きくなっていくのに歯噛みする。 その場に居た人々はといえば、思考が追いついていないでいた。 これはなんなのか。 本当に事件なのか。 あれは本当に刃物を突きつけているのか。 目の前の事態が真に緊迫した事態なのかどうか理解できなくて動けなくなる、 集団に流されて行動することをよしとするアイゼン人は緊急事態に直面すると往々にしてこうなってしまう。 かくいう僕も例外に漏れず、硬直しているのは他と同じだ。 「……なにがあったの!?」 後ろから声を掛けられ、はっと我に返った僕は振り返った。 「ニコレットさん」 「げ……あいつ!前々から何かやるんじゃないかと思ってたけどついにやったわね……!」 「あ、あれがマンザラさんの言ってた詐欺師もどきの」 「そうよ。それにしてもいきなり刃物沙汰なんて……」 角から様子を窺うニコレットさんにならって僕も向こうを見る。 ナイフを突きつけられた彼女は困惑しながらも退かずに目の前の男に相対していた。 「な……なんなの……」 「仲間はどこだ」 「へ?」 「他の官憲はどこだっ!!」 男は油断無く辺りを見回しながら苛立たしげに叫んだ。 「……官憲?」 「あいつ……アイゼンで何かやったのね。官憲に追われてるんだわ」 「そこへ声を掛けたから……」 ようやく事情を理解し、僕は少し後悔した。 今考えればあそこで止めるべきだった。 その男が暴力に訴えることも辞さない無法者だという時点で行かせるべきではなかったのだ。 「警察のこと?何のことだか知んないけど……私は一人よ。仲間もいないし、旅行できただけよ」 「あ……?」 男がもう一度彼女の服装を見直した。 やがて男の顔に、痛恨の先走りを犯した事への悔恨が浮かんでくる。 「……畜生!」 「そういうわけで……行ってもいい?」 「動くなっ!!」 男が半狂乱で叫ぶ。 「くそ、お前のせいで、お前のせいで……」 このとき男は手負いの獣のように興奮し、血走った目に息遣いは異常なほど荒かった。 その様子を見ながらニコレットさんが眉をひそめる。 「興奮が尋常じゃなさ過ぎるわ……薬でもやってるんじゃないでしょうね?」 分からない。確かなことは、あの男が予想以上に危険な状態であるという事だけだ。 「お前さえいなければ……」 男が憎々しげに吐き捨てた。 その言葉に思わず彼女が呟いた、その言葉がかすかに聞き取れる。 「……私だって、好きでいるわけじゃないわよ……」 「黙れっ!とにかく、ここを出るまでは……動くなあっ!!」 さて、ここに至って、ようやく他の客達は動き始めていた。 男が本当に危険だと判ると、気付かれないように、男を刺激しないようにゆっくりと休憩所から離れ始めたのだ。 男の目に留まったのはその中の小さな子供だった。 親とははぐれてしまったのか、一人でその子は休憩所から出ようとしていたのだ。 彼女に気をとられていた男が気付いて辺りを見回したとき、 休憩所に残っているのは男とバレッタさん、そしてその子だけだった。 男が見回している間に、気付かれた子供は逃げようと走り出す。 そして。 追い詰められた精神状態に、いつの間にか人がいなくなっていたという驚愕、 その子が逃げようとしたことに対しての反射的な焦り。 何を思ったのかあるいは人質にしようとしたのか、男はその子を捕まえようと突進した。 「……!?させるかっ!」 彼女が後ろから男を蹴り飛ばし、その子に声を投げる。 「ほら、行きなさい!」 一目散に逃げ出した子供の背中を見送る間もなく、彼女が振り返る。 その瞬間に、男は彼女に飛び掛っていた。 「っ、きゃぁっ!?」 反応は早かったが体重差はいかんともしがたく、彼女は押し倒されて床に倒れこんだ。 その喉元にナイフの刃を突きつけ、男が苛立たしげに彼女を引き起こそうとする。 「くそ、くそ、邪魔ばかりしやがって……」 「この、離、れ……!」 「うるさい、殺すぞ!!」 「……っ、ちっ……!」 後ろから首をロックされた上で首筋にぴたりとナイフを押し当てられ、彼女は抵抗をやめた。 いくらなんでもこの状態では刃から身を守るすべがなく、抵抗の仕様がない。 そのまま男は彼女を引きずるように移動し始めた。 「……まずい!人質として連れて行く気だわ」 「…………!」 僕は自らの覚悟の無さを呪った。 こんな、男がパニック状態になって人質をとるような状況になる前に、 そうならないように何かすべきだったのではないか。 平和ボケのあまり何とかなるだろう事態を傍観し続けた結果がこのザマだ! 「……、助けなきゃ」 「ちょっと!?」 その場を立つ。 玄関先に先回りしようとした背中を向けたそのとき、僕の耳に彼女の声が聞こえてきた。 「……っの……ほんっとに……散々だわ。そう悪いことばかりでもないかな、と思いなおした直後にこれだもの」 「うるさい黙れ……」 「いいわよ……騙された時点でこれ以上何があったって変わりゃしないわ」 言葉とは裏腹に、その声には泣きそうなほどの不安が滲んでいた。 ここに取り残されて孤独と不安に苛まれ、そこからようやく立ち直ろうとした矢先に 今度は凶暴な男に何処へか連れ去られようとしているのだ。 怖くないわけがない。不安に押しつぶされそうにならないわけがないのだ。 そんな彼女を、絶対に連れて行かせるわけにはいかなかった。 「……」 僕は覚悟を決めた。 男が玄関方面に行こうとして向こうを向いたのを見計らい、 こっそりと休憩所に入り込んでテーブルの影に滑り込む。 テーブルの上に置いてあった誰かの食べかけの汁蕎麦を手にとり、七味唐辛子を振る。 そして、おもむろに僕は立ち上がって二人に接近した。 二人のすぐ近くで、床が軋んで音を立てる。 「!!」 それに気付いて男が振り返った瞬間、僕は手に持った汁蕎麦をその顔面に叩きつけていた。 「ばっ……!?」 「バレッタさん!!」 反射的に突き出されたナイフが見当違いの方向へ空を切る、 その隙に刃から解放された彼女を引っつかんだ。 「っ!!」 強引に引っ張りこみ、とっさに左半身を出して庇う。 その直後、闇雲に振り回されたナイフが左腕を突いた。 血が流れる感覚とともに痛みが走る。 それでも彼女を離さず後ろに下がろうとしてその身体を引っ張った瞬間、彼女の足が跳ねた。 「……しっ!」 僕の腕の中で身体をひねり、跳ね上がった足が男の手からナイフを弾き飛ばす。 そのまま僕達は後ろに倒れこんだ。 「っく……」 「早く!」 何とか起き上がり、通路の方へと急ぐ。 待っていたニコレットさんのほうへ彼女の背中を押しやり、僕は後ろを振り返った。 今のうちに奴を取り押さえ……駄目だった。 唐辛子が効かなかったのか、男は目を拭い、ナイフを拾って立ち上がろうとしている。 その狂気じみた視線が僕を射抜いた。 「はぁっ、はぁっ……」 「っ……ホウキ!モップ……棒なら何でもいい!」 「!」 僕の声に応え、ニコレットさんがホウキを僕に向かって投げた。 それをキャッチし、向き直ると同時に男が狂おしく絶叫しながら突っ込んでくる。 「うおおおぉぉっ!」 「この……!」 萎縮する足を踏ん張り、逃げそうになる心を押さえつける。 昔覚えかじらされた護身術の通りに構え、そのナイフを握る男の手に一振りだけホウキで打ち込んだ。 ただがむしゃらに突き出していたナイフはそれだけであっけなく落ちた。 技巧も何もなく激情のままに振り回していただけならそんなものだ。 呆然とした態で男が自分の右手を見た瞬間、僕はもう一度ホウキを振り上げた。 ……ごめん、名も知らぬ詐欺の人。 見たのも出会ったのもすぐ前で、僕はあなたがどんな人間なのか、どんな事情があってこんなことになったのか知りはしない。 彼女の身の安全を確保するためとはいえ問答無用で実力行使に出たのも申し訳なかったかもしれない。 けど、同情はしない。こっちにも言いたいことはあるのだ。 「人の店でっ、刃物を出すなぁっ!!」 ――公衆店で刃物を抜くのはご法度だ。客が刃物を抜いたとき、人はそれを『刺客』と呼ぶのだ。 しっかりと踏み込みながら、お手本どおりの面をその顔面に叩き込む。 予想外に硬い手ごたえが返った。 「がッ……」 当たり所が悪かったのか、男はそのまま目を剥いて後ろにひっくり返ってしまう。 「……」 「気絶した?」 どうやらそのようだった。 つついて、完全に気絶していることを確認する。 そしてついに緊張の糸がほどけた僕は、 「……っ、お、おっかなかった……」 その場にへたり込んでしまうのだった。 「……大丈夫?」 ようやく騒ぎが知れ渡り、駆けつけてきた同僚達が壊れた食器などをかき集めていた。 足を引きずるように休憩所を出ようとするとニコレットさんが声をかけてくる。 「ちょっと腕を切られたんで医務室に行きます。……バレッタさんは?」 「……ここにいるわよ」 声のする方向に目を向ければ、そこに彼女が背を壁にもたせてしゃがみこんでいた。 彼女も負けず劣らずぐったりとしおれている。 「たかだかナイフ一本ぐらいどうってことないと思ってたのに、ね。自信なくすわ」 「たかだかって……あ、いや、あの子を助けようとしたからじゃない。 その、アイゼン人でも助けようとしてくれて、ありがとう」 それは僕の本音だった。 少なくとも彼女は昨日、アイゼン人など大嫌いだといったのだ。 「別に。他人がどうだろうと他人は他人私は私、私がルシェの戦士であることには変わりないんだし 誰に対してもルシェとして振舞えばいいんだと思っただけよ。 あんたこそ、案外ルシェの魂があって見直したわよ?その……ヘタレって言ったのは撤回してあげても……」 後半はなんだかもじもじとした言い方だった。 が、このとき僕は別のところに注意をとられていた。 「え、別にルシェの魂とかでああいうことしたんじゃないよ」 「……へ?」 「あれはアイゼン男子としての行動というかなんと言うか……」 「む……、あーいうのはルシェの誇りよ」 「アイゼン魂だって」 「違うわルシェの……」 「アイゼンなんだって」 「あーはいはいはいはい。二人ともつまんないことで争わないで」 泥仕合になりかけたところでニコレットさんからストップが入った。 「コレル君、医務室に行くんでしょ?」 「ああ、そうだった。……君も一緒に行こう?少し休んだ方がいいよ」 「あ、ちょっ……痛っ!」 「?」 手を引いて医務室に行こうとしたとたん、彼女は小さく悲鳴を上げてしゃがみこんでしまう。 彼女が左足を押さえているのを、僕は見た。 「足……怪我してるの?……!ナイフを蹴り飛ばしたとき?」 「……あんたが急に引っ張ったからよ」 「ごめん……」 あの時彼女が一時的にでも男の手からナイフを弾いてくれなければどうなっていただろうか。 僕は自分が引いたせいで彼女が目算を誤り足を怪我したことにさえ気付かなかった…… 「ほんとにごめん。すぐ医務室に行こう」 「え?ちょ!?」 「あら」 彼女を両手で抱え上げ、僕は立ち上がった。 ニコレットさんに後の事を頼んでおく。 「じゃあニコレットさん、あとはよろしくお願いします」 「あ、うん」 「こら、ちょっと!降ーろーせ!恥ずかしいでしょ!?」 「足を怪我したんでしょ?だれも変だとは思わないよ」 「そういうことじゃなくて……!!」 僕はさっさと歩き出した。 休憩所に人が集まっている分、廊下は静かで誰ともすれ違わない。 ふと彼女を見下ろすと目が合った。 彼女の頬が薄く紅潮する。 「……?あの?」 「ちっ……違うわよ!?これはその、あの、 ……吊橋効果よ!あんたがあの後すぐこんなことするから……」 「え、うん。ごめん、よくわかんないけど」 「あぁもう!あんたって奴はどうしてこう人の心の隙間に入り込むようなことばっか…… あ、でも……こうして見ると……」 何を思ったのか、彼女は僕の顔をじっくりと観察した。 ポツリと呟きが漏れる。 「テチスナノナミチニテチミイ……」 「え?なんて?」 「っ、うるっさい!さっさと歩け!」 「はいはい……」 医務室はもうすぐそこだった。 そして、更に翌日。 僕達は今日もまず掃き掃除から始めるために裏庭に集まっていた。 そしてその日、僕達の顔には困惑の色が浮かんでいた。 昨日までそこにいなかった人がそこにいるからだ。 「えーと、その」 「何?」 「バレッタさん」 「だから何?」 「どうしてここに?あと、その格好は?」 そう、そこにいたのは彼女だった。 しかも昨日まで着ていた旅服ではなく、給仕用のいわゆるメイド服を着てそこにいる。 「……昨日捕まったあいつ、私から盗んだ奴じゃなかったわ。 私が騙されたのはもっと若い奴だったもの。 これ以上はもう盗まれたものは取り返せないだろうし、だから」 肩をすくめながら彼女はそう語る。が、そこまで言うと彼女は胸を張り、ふっきれた顔で続きを口にした。 「不本意だけど、ね。ここで働いてお金を貯めることにしたのよ。 もとよりお金が無きゃここからも離れられないし、しょうがないでしょ?」 「おいおい……ここの給金なんてたかが知れてるだろ?雀の涙ほどもないんだぜ?」 「ゼロじゃなければマシよ。何もしないよりはいいに決まってるわ」 「でも……いいの?当分帰れないし……信頼できる仲間がいなきゃって、前」 「だーかーら。それじゃ他にとるべき道があるかって、ないでしょ?……それに」 「??」 「その……少し一緒にいて、あんた達のこと信頼してみても、いいかなー……って、その」 その言葉を聞いて、僕はとても嬉しかった。 ついでに照れくさそうに言う彼女は非常に可愛かった。 「あ……ありがとう!」 妙に感激した僕に彼女はちょっと引いたが、すぐに気を取り直して 明後日の方向を見ながら「ま、ね」と言ってくれる。 「そういうわけで、これからよろしく!さ、仕事するんでしょ?さっさとやるわよ!」 「へいへい」 「うん!……あ、そういえば」 「何よ?」 「どうして給仕なのに僕達と同じ仕事してるの?」 「……」 彼女は黙り込んだ。 「……あの耄碌ジジイが…… お前はお客様の前に出ないで使用人の仕事をしろ、って」 あちゃー。 僕はハンコツさんと顔を見合わせた。 (……ハンコツさんもそう思いますか?) (お前もか……) 「ちょっと……今なにアイコンタクトで話したのよ……」 「あ、いや別に!別に……賢明な判断だとか、まあ当然の結果だねとかそういうことじゃなくて……あ」 「……っ……!」 また地雷踏んじゃった? ハンコツさんが呆れたように首を振った。 ああ、元旦那様。 僕は今日も元気でやっています。 そう、きっと。彼女という新しい仲間を加えて、ここでの暮らしはより賑やかになっていくだろう。 「悪、かったわ、ねっ!!」 ――最後に見えたのは、かかとの後ろだった。
https://w.atwiki.jp/7d2020-2/pages/91.html
CHAPTER1 新たなる戦場 ※このページはまだ書きかけです。 CHAPTER1 新たなる戦場 攻略チャート1.国会議事堂~出立の儀 2.丸の内 亜空断層 駅構内1~2 3.丸の内 亜空断層 駅構内3 4.丸の内 亜空断層 駅構内4 5.丸の内 亜空断層 プラットホーム~駅構内5 6.丸の内 亜空断層 駅構内6 7.丸の内 亜空断層 駅舎屋上 CHAPTER1のクエスト他メモ 攻略チャート 1.国会議事堂~出立の儀 会話中に選択肢二回。会話が変化するくらいで影響はありません。 選択肢 結果 キリノ…? ストーリーが進行する 何があったんだ? ストーリーが進行する 選択肢 結果 (ナビ名)から聞いた ストーリーが進行する またドラゴンが…? ストーリーが進行する チャプター開始後、パーティーメンバー及び議事堂内NPCのコメントが変化します。 また、ムラクモ居住区にヒムロと新人たちが追加されます。 エントランスからムラクモ本部へ行きましょう。 選択肢がありますが外に出られないのでほぼ強制です。リンやイズミと話せるだけ。 選択肢 結果 一緒に、戦います ストーリーが進行する …もう少し、時間がほしい 次の選択肢に分岐 選択肢 結果 いつでもいいぞ ストーリーが進行する ダメだ、決心がつかない… 選択肢 結果 任せろ! ストーリーが進行する 物足りないな… ストーリーが進行する 外に出るとイベント。選択肢あり。 選択肢 結果 お前達は日本人じゃないのか…? ストーリーが進行する みんなを馬鹿にするな ストーリーが進行する ファクトリーに人がいますが、開いているのは一番左の消費アイテムショップのみです。 手持ちに不安があるようなら補充していくと良いでしょう。 !マークに近づくとイベント。どちらを選んでも進行します。 選択肢 結果 もう大丈夫だ ストーリーが進行する さっきの2人組は…? ストーリーが進行する 2.丸の内 亜空断層 駅構内1~2 道なりに進んでいきましょう。 宝箱 ヒールエアロI 2個 途中に救助者(若葉マークみたいなの)がいるので話しかけて救助しましょう。 ドラゴンの目の前に回復セーブポイントがあります。 戦闘開始前にエグゾーストが解禁されます。 ① 宝箱 マナ水 1個 ② 宝箱 スモークグレネード 3個 ③ 宝箱 メディスI 3個 ④ 宝箱 パラエルオール 2個 救助 トミコ ツインホーンドラグと戦闘。 ここからドラゴンが二回行動をするようになります。 偶数ターン目に突撃の構えで次ターンの攻撃力を上げてくるので、LF管理をしっかりと。 単体攻撃しかしてこないので全員ガード、等はしなくてもいけるとおもいます。 勝利後LFやMNが減っていたら回復セーブポイントを利用しましょう。 道中にいるホシノ隊員がドラゴンと戦うにあたってのアドバイスをしてくれます。 ドラゴンは背後から接触しよう!先手を取ることができ、1ターン分有利になります。 雑魚との戦闘中にドラゴンが乱入してくることも右下のシンボルが青→緑→黄→赤と変わっていき、ビーッっという警告音が鳴った次のターンに乱入してきます。壁ドラゴンは自ら戦闘に乱入してくることはありません。 サラマンドラと戦闘。 氷属性が弱点です。割と頻繁にブレスを吐いてくるので残りLFに注意しましょう。 ややSPDが高く、サイキックなどは先手を取られることがあります。 駅構内3へ降りる階段があります。降りた先に宝箱があるので回収しましょう。 ツインホーンドラグと戦闘。 これで3Dz揃うので議事堂へ戻りましょう。ナビに止められて先へは進めません。 ムラクモ本部へもどるとムラクモ会議での改修等が解禁されます。 エントランス右上の!マークの場所へ行きましょう。 改修案 報酬 必要条件 必要Dz 武装拡張案 LV1 新製品の追加 3Dz 『居住区A』改修案 ステルスLv1 6Dz 現時点で選べるのが武装拡張案のみなので、そちらを選択します。 ファクトリーのレイミに話しかけると進行します。 ついでに装備をいろいろ揃えておきましょう。 蝶の羽等、【換金専用】とあるアイテムはコレクションするのでなければどんどん売り払うべし! オススメ装備武器各種 防具は宝箱から前衛用・後衛用が1つずつ手に入るので残りの分を買えばいい。 フェザーリングI サイキックに持たせておくといい。先手でデコイを張れるかで生存率が大きく変わる。 ムラクモ本部へ戻り、イベント。 LFやMNが減っていたら一度自室へ戻って休んでから出掛けましょう。 3.丸の内 亜空断層 駅構内3 降りられなかった右側の階段から駅構内3へ。 道中カワバタ隊員がセーブポイントを設置してくれているので利用しましょう。 徘徊タイプ サラマンドラ 西側シンボル 徘徊タイプ ツインホーンドラグ 東側シンボル ① 宝箱 ヘビーブレスト 1個 ② 宝箱 メディスII 2個 ③ 宝箱 ブレストウェア 1個 ④ 宝箱 脱出キット 2個 4.丸の内 亜空断層 駅構内4 駅構内3の左下からいける位置に救助者がいます。 壁タイプ エンシェンタス 北側シンボル ① 宝箱 Az 100 ② 宝箱 パラスガード 1個 ③ 宝箱 ヒールエアロII 2個 救助 タツジ 駅構内3右側から駅構内4へ移動するとイベント。 選択肢 結果 仲間を見捨てろって言うのか!? ストーリーが進行する やむを得ないか… ストーリーが進行する 時間がないといわれるがそんなことはないので、危険を感じたら立て直しに戻りましょう。 マップ右側からプラットホームへ移動しましょう。 セーブポイントがあります。 蔦を登っていき、駅舎屋上の中央辺りへ行くとイベント。 ティアマットとのイベント戦闘。 相手は一回行動です。4ターン目まで耐えると退却します。 イベント戦終了後、脱出ポイントが出現しているのでそこから戻りましょう。 ムラクモ本部へ戻るとイベント。 選択肢 結果 お前たち、前に会った… ストーリーが進行する どこかで見た顔だ ストーリーが進行する 5.丸の内 亜空断層 プラットホーム~駅構内5 地形が変わって北側のホームへ行けるようになっています。 宝箱や救助者がいるので回収しましょう。 北側に壁タイプのドラゴン、エンシェンタスがいます。 1ターン目でフリーズブレス 弱点が炎でよく通るので、サイキックに攻めさせると楽です。 ハッカーが居るならファイアエンチャントを習得しておけば凍傷を直しつつ通常攻撃で弱点をつけるようになる。 ① 宝箱 白銀水 1個 ② 宝箱 メディスII 2個 救助 知りたがる学生 駅構内5を暫く進むとイベント。 徘徊タイプ 猛りサラマンドラ 構内5入ってすぐ 壁タイプ エンシェンタス 西側シンボル ① 宝箱 食材セット 3個 ② 宝箱 パラエルZ 2個 救助 お局議員 6.丸の内 亜空断層 駅構内6 東側に救助者がいます。 箱もあるので回収しましょう。 マップ南に回復セーブポイントと脱出ポイントがあります。 進むとボスなので、手持ちに不安があるようなら一度戻って装備などを整えましょう。 ここまでのドラゴンを全て倒していれば6Dz、駅構内6のドラゴンも含めれば8Dzたまっているはずなので、戻った際ついでに居住区Aを改修するのもよいでしょう。 また、ボス討伐後に改修案が増えるので温存しておくのも手です。 徘徊タイプ ツインホーンドラグ 東側シンボル 徘徊タイプ 猛りサラマンドラ 西側シンボル 壁タイプ エンシェンタス 南側シンボル ① 宝箱 メディスII 3個 ② 宝箱 ナノファイン 2個 ③ 宝箱 ヒールエアロII 2個 救助 天然不思議っ娘 7.丸の内 亜空断層 駅舎屋上 手負いのティアマットと戦闘。 弱点は氷。タイフーンハウルで麻痺が付きます。 パラスカット1、パラスガード1あるはずなのでパラスガード3つ購入して各人装備。 半分ほど削ると大きく息を吸い込むをしてきます。 翌ターン1回目の行動でクリスタルブレスを吐いてきます。ガードしましょう。 以降、5ターンごとにクリスタルブレスを吐いてきます。 ドライアイスで一応回避可能です。サイキックはデコイが残っていれば攻めていけます。 同ターン2回目の行動で止めを刺されることもあるので、LF残量には注意をしましょう。 LF赤まで削ると次元裂きをしてきます。割といたい上、麻痺の追加効果があります。 LF赤でブレスの頻度が上がります。ブレス後にハウルなどもしてくることがあります。 行動順に気をつけつつ、アイテムは惜しみなく使っていきましょう。復活後攻撃されて即死はよくあること。 LF赤からの猛攻がきついので、赤まで削ったらEXを使っていっきに止めを刺しに行きましょう。 イベント後、議事堂へ帰還。議事堂のNPCの会話が変化しているので回ってみるのもよいでしょう。 部屋に戻って寝るとストーリーが進行します。 幕間1へ CHAPTER1のクエスト他メモ 居住区Aを改修すると薄幸そうな少女が『救急セット1』(200Az)、シスター見習いがオールガード(500Az)で販売してくれます。 また、左の部屋にいるナガレの妻からサポートスキルステルスを教えてもらえるので話しに行きましょう。 居住区A改修によるバザー品 価格 薄幸そうな少女 メディスI、メディスII、ナノエイド それぞれ5個 200Az シスター見習い オールガード 1個 500Az